大気や海洋中を拡散する汚染物質や有害物質の時空間分布を正確に推定し,その発生源を同定することは,災害やテロ発生時における人々の安全・安心を保証する上で,極めて重要である.学術的には乱流中に放出されたスカラーは,流れによって移流し,引き延ばされることにより複雑なスカラー場を形成し,下流のセンサ信号は極めて複雑なものとなる.このような限られた計測情報からスカラー源を推定することは依然として極めて困難であるため,効果的なスカラー源推定アルゴリズムを開発することは意義が大きい.さらに,開発したアルゴリズムを実験を通じて実証する試みも限られており,本研究で開発する実験システムは学術的な意義が大きい.
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