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2021 年度 実績報告書

3次元超解像を活用した乱流熱輸送の超高速予測

研究課題

研究課題/領域番号 20H02074
研究機関東京工業大学

研究代表者

大西 領  東京工業大学, 学術国際情報センター, 准教授 (30414361)

研究分担者 松田 景吾  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(地球情報基盤センター), 副主任研究員 (50633880)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード乱流熱物質拡散 / 超解像 / 深層学習 / 数値シミュレーション
研究実績の概要

2021年度は、過年度に実施した複数のLarge-eddy simulation(LES)、つまり微気象シミュレーションから得られた学習データセットを用いて物理超解像の適用を拡大した。なお、微気象LESの対象領域として、東京都中心部、大阪市中心部を中心としつつ、さらに仙台市中心部に関してもデータセット構築を開始した。また、これまでに気温というスカラー量の超解像の実現に成功していたが、風速というベクトル場の超解像にも取り組み、まだ断定的な結論には至っていないものの、おおよその性能を明らかにすることができた。さらに、主要目的である3次元超解像の技術的フィージビリティーを明らかにするために、スカラー物質の乱流拡散計算も行い、試行錯誤を経て、試験的な学習データセットを構築し、実際に3次元超解像のテストに至った。想定通りであるが、2次元超解像に比べて3次元超解像は計算コストが大きいことを確認した。そこで、東工大のGPUスーパコンピュータTSUBAME3.0を用いて、試験的な学習データセットを用いて3次元超解像器を学習させ、その高い補間性能の一端を確認することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3次元の学習データセットは容量が大きく、微気象LES計算結果を適度な粒度に粗視化する必要があった。その粗視化具合を手探りで同定したため、本格的な3次元超解像データセットの構築を開始するのに時間が想定よりもかかった。しかし、並行して深層ニューラルネットワークの検討をおこなっていたため、試験的な学習データセットが構築され次第、3次元超解像ネットワークの学習を開始することができ、そのプロトタイプを構築することができた。総合的に見て、概ね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

数値シミュレーションと機械学習の融合という新しい取り組みに対して、研究グループ内外の研究者と密に連携しながら、技術開発を進める。学習のための計算コストが増大しつつあり、東工大の保有するTSUBAME3.0などのGPUスパコンを積極的に活用していく。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [国際共同研究] Skolkovo Institute of Sci. and Tech.(ロシア連邦)

    • 国名
      ロシア連邦
    • 外国機関名
      Skolkovo Institute of Sci. and Tech.
  • [雑誌論文] Super-resolution of near-surface temperature utilizing physical quantities for real-time prediction of urban micrometeorology2022

    • 著者名/発表者名
      Yasuda Yuki、Onishi Ryo、Hirokawa Yuichi、Kolomenskiy Dmitry、Sugiyama Daisuke
    • 雑誌名

      Building and Environment

      巻: 209 ページ: 108597~108597

    • DOI

      10.1016/j.buildenv.2021.108597

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 深層学習を活用した超解像シミュレーションによる都市街区熱環境のリアルタイム予測2021

    • 著者名/発表者名
      大西領、安田勇輝
    • 雑誌名

      伝熱

      巻: 60 ページ: 30-35

  • [学会発表] 微気象×機械学習 ~機械学習技術を活用した都市街区微気象のリアルタイム予測~2022

    • 著者名/発表者名
      大西領、安田勇輝、小野寺孔明、松田景吾
    • 学会等名
      機械学会熱工学部門
    • 招待講演
  • [学会発表] Super-resolution simulation of urban micro-meteorology for sustainable future society2022

    • 著者名/発表者名
      R. Onishi, Y. Yasuda
    • 学会等名
      AI Super Resolution Simulation Workshop
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 微気象制御学と気象制御2021

    • 著者名/発表者名
      大西領
    • 学会等名
      ムーンショットセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 機械学習技術を活用した都市街区微気象のリアルタイム予測2021

    • 著者名/発表者名
      大西領、Dmitry Kolomenskiy、廣川雄一、杉山大祐、松田景吾
    • 学会等名
      日本機械学会2021年次大会
  • [学会発表] ニューラルネットによる都市微気象シミュレーションの物理超解像2021

    • 著者名/発表者名
      安田勇輝、大西領、廣川雄一、Dmitry Kolomenskiy、杉山大祐
    • 学会等名
      第35回数値流体力学シンポジウム

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公開日: 2022-12-28  

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