先行研究でも、貴金属ナノ粒子を光照射によってナノ熱源として用いる報告は多数あるが、表面融解というナノ粒子に特有な低温での融解とそれによる形状変化のために、応用に際して実用上の上限は550K程度であった。 本研究では実験および計算の両面から、元来融点が極めて高い窒化チタンナノ粒子を用いれば、1400~2000K程度の高温でもナノ粒子を熱源として利用できることを明らかにした。また窒化チタンナノ粒子を用いれば、照射光の波長や偏光によってナノ~マイクロ領域の狙った箇所だけを選択的に加熱できることも初めて明らかにしており、微小領域の高効率なリモート加熱技術として大きな成果が得られたと言える。
|