研究課題
基盤研究(B)
赤外域における波長選択近接場光を用いた光起電力発電を目指し、グリッド状電極、pn接合薄膜GaSb層、裏面電極の3層構造電池を作製し、空乏層厚みに匹敵する薄膜GaSb半導体においてもそのバンドギャップ近傍のみの波長帯において発電できることを示した。また、金属‐絶縁体‐金属の3層構造の波長選択放射体と組合せ、波長選択近接場光輸送により、バンドギャップ波長近傍において黒体表面間の4倍ほどのふく射輸送となることを数値計算により示した。
熱工学
赤外域の近接場光輸送の波長を制御し、光起電力電池のバンドギャップ近傍の波長域のみを利用した発電システム構築の糸口を掴むことができた。このとき空乏層厚み程度のpn接合GaSb半導体においても発電可能であることを実証できたことは学術的に興味深い。また波長選択放射体と数百nmの隙間を介して組合わせることにより黒体ふく射輸送に比べて4倍ほどふく射流束が大きくなることを示したことは社会的にインパクトが大きい。