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2020 年度 実績報告書

ナノスケール光サーモメトリーの開発と表面熱物性計測の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 20H02087
研究機関徳島大学

研究代表者

矢野 隆章  徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 教授 (90600651)

研究分担者 三友 秀之  北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (50564952)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードプラズモニクス / ナノ計測
研究実績の概要

本研究の目的は、光共鳴ナノ構造近傍に誘起されるフォトサーマル効果を定量的に評価する手法を開発し、そのフォトサーマル効果を利用したサーマルエンジニアリングを実現することである。初年度はまず、フォトサーマル効果を計測する可視分光システムを構築した。可視のシステムには、ポンプ光としてスーパーコンティニウム光源、プローブ光として波長670 nmの連続発振型のレーザーを用いた。スーパーコンティニウム光源に中心波長・バンド幅可変シングルラインフィルタを搭載し、ポンプ光の波長を可視域で掃引しながら、フォトサーマル光計測を実現できるシステムを構築した。対物レンズを用いてポンプ光を一点集光照射する一方で、プローブ光をケラー照明によって試料表面に一様に照射する入射光学系を構築した。さらに、検出器としてロックインカメラを用いることによって、ポンプ光によって誘起された熱の拡散をリアルタイムで可視化できることが可能となった。実際に銀薄膜表面においてフォトサーマル計測を行った結果、ポンプ光が集光照射された点を中心として、光誘起熱が拡散される様子が観測された。ポンプ光の波長を変化させながら同様の測定を行った結果、光誘起熱の温度と拡散領域は波長依存性があることがわかった。有限要素法による電磁場および光熱計算シミュレーションを行った結果、これは金属薄膜表面での局在型表面プラズモンの共鳴効果に起因することがわかった。以上の結果から、光共鳴ナノ構造近傍に誘起される光誘起熱を可視化できるシステムが開発された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、ポンプ光とプローブ光を用いた可視域でのフォトサーマル光計測システムの構築とその有効性を実証できたため。

今後の研究の推進方策

今後はこのシステムを用いて様々な光共鳴ナノ構造のフォトーサーマル効果の評価を行う。とくに銀ナノ構造に着目して評価を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Comparison of hot carrier generation between self-assembled gold and silver nanoparticle arrays tailored to the same hybrid plasmon resonance2020

    • 著者名/発表者名
      T. Fujita, Y. Takeuchi, K. Yamaguchi,_T. Yano, T. Tanaka_and_N. Takeyasu
    • 雑誌名

      J. Appl. Phys.

      巻: 128 ページ: 123104

    • DOI

      10.1063/5.0020403

    • 査読あり
  • [学会発表] Multimodal tip-enhanced spectroscopy for nanoscale analysis and imaging2020

    • 著者名/発表者名
      Taka-aki Yano, Takuo Tanaka
    • 学会等名
      SPIE: Optics and Photonics
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Non-plasmonic nanoantenna and metasurface for field-enhanced spectroscopy beyond the plasmonic limit2020

    • 著者名/発表者名
      Taka-aki Yano, Takuo Tanaka
    • 学会等名
      SPIE: Optics and Photonics
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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