研究課題/領域番号 |
20H02100
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
朝間 淳一 静岡大学, 工学部, 准教授 (70447522)
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研究分担者 |
杉元 紘也 東京電機大学, 工学部, 准教授 (60613552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ベアリングレスモータ / 磁気浮上 / モータドライブ / パワーエレクトロニクス / 磁気軸受 / 電気機器 |
研究実績の概要 |
本研究では,磁気浮上ベアリングレスモータにおいて,一般的な三相ブラシレスDCモータを,非対称に四相化することで,どのような構造でもベアリングレス駆動を可能にする設計手法の確立を目的としている.具体的には,三相ブラシレスDCモータの結線を,四相化する際に,トルク係数は三相と同程度で,支持力係数は中程度,あるいは,トルク係数は中程度で,支持力係数は大きくなど,仕様に応じて四相をどのように選択したらいいか,を提案している.これまで,三相12スロット10極のブラシレスDCモータを,トルク係数が三相と同程度で,支持力係数が中程度の四相統合巻線形ベアリングレスモータ(非対称固定子コア形)を試作している.2020年度は,従来の交流電流制御からの直流電流制御に変更したときの安定性を改善した.具体的には,磁気支持の座標系の取り方を変更し,回転制御と分離し,さらに,機械的・磁気的アンバランスに伴う電流の回転同期成分を除去する制御を取り入れ,7500rpmでの駆動に成功した.また,回転子の磁石が機械的に非対称な,トルクと軸方向力を1ユニットで発生させる新しいベアリングレスモータ(非対称磁石形)を提案した.回転子の並進と傾きの運動はエアベアリングで支持し,トルクと軸方向支持力を,コアレス構造のベアリングレスモータで行う.具体的には,回転子の4極の磁石をコアレスコイルのコイルエンド分だけ90度ツイストさせる非対称構造を有するテスト機を試作し,6万rpmでの軸方向位置決め制御しながらの回転に成功した.さらに,エアギャップが非対称な新しいベアリングレスモータ(非対称エアギャップ形)を提案した.具体的には,ラジアル方向にロータをアクティブに変位させることでトルクを得る.2020年度は,電磁界解析により,ラジアル変位時に,ギャップ部磁束密度の回転子極数±2極の高調波成分が確認され,変位時には,トルク係数が増大することを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案手法により,どの三相ブラシレスDCモータも,四相ベアリングレスドライブを可能にする四相非対称の設計指針を見いだし,試作機による磁気浮上回転も安定しているため.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,非対称固定子コア形に関して,変位センサを固定子コアの歯と歯の間に埋め込む,非対称不等ピッチ構造のベアリングレスモータを提案する.これにより,これまで固定子コアと回転子を挟んで反対側に配置された変位センサを,固定子コアと同じ側にすることで,システムの簡素化を図る.非対称磁石形では,性能評価とさらなる高速化を図る.非対称磁気ギャップ形に関しては,偏心時に発生する高調波成分が回転子の大きさ,偏心量によってどのように変化するか,また,浮上力とトルクの干渉を確認する.
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