研究課題/領域番号 |
20H02129
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
高木 伸之 岐阜大学, 工学部, 教授 (80179415)
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研究分担者 |
王 道洪 岐阜大学, 工学部, 教授 (20273120)
ウ ティン 岐阜大学, 工学部, 助教 (50789774)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 雷 / 雷放電路の可視化 / 最終雷撃過程 / 落雷の予知 |
研究実績の概要 |
本年度の主な研究実施事項は3次元雷放電路可視化システムの高精度化である。3次元雷放電路可視化システムで最終雷撃過程を計測するには可視化システムの位置精度を5m以下、時間分解能を5μs以下、1回の落雷に伴う電波放射源の数を1万個以上取得しなければならない。本研究で開発する新型FALMAの位置精度は1m、時間分解能を1μs、1回の落雷に伴う電波放射源の数3万個以上を目指している。これを達成するために位置精度については干渉法を用いた独自アルゴリズムと準天頂衛星電波受信で、時間分解能は電界の微分波形受信で、電波放射源の数はLF帯とVHF帯のハイブリッド受信でそれぞれ解決できる目処が立った。これを試作器によって達成できているかの確認を行う。また、受信サイトからのデータ転送には5G 規格通信を利用と高速演算処理が可能なワークステーションの利用により3次元雷放電路のリアルタイム表示も目指す。 高精度な3次元雷放電路を可視化するにはこれまでの経験上受信データは10箇所程度必要である。当初11箇所のアンテナ設置サイトを確保しているがこれを20箇所程度まで増やす必要がある。そのためのノイズの少ない場所の下見と地主とのアンテナ設置交渉が必要である。昨年度は残念ながらコロナ禍により観測予定サイトを訪問することが困難となったために十分なアンテナサイトの確保に至っていなかったが本年度は4箇所増やすことができた。また、落雷の予知については予知のためのプログラムを作成し、現在保有する落雷データを用いた予知シミュレーションが可能である。落雷の予知の場所と時間がよりピンポイントなるためのプログラム開発を行い、実測データで確認を行う。プログラミングに関しては予定通り進んでいる。高速度カメラによる2例の自然雷の観測に成功し最終雷撃過程を明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度はコロナ禍のため予定していた観測サイトの設営ができなかったが、本年度はコロナ患者発生数が減った時期に観測サイトの交渉を行い5箇所増やすことができた。これによりある程度の精度で最終雷撃過程が測定可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
最終雷撃過程は電波の到達時間作法と電波の干渉法および高速度カメラの3手法により取得可能である。現在取得データの中から精度の高いデータの選び出しを行っており、その解析を進める。さらに高速度カメラデータを取得可能な良い立地場所があったので、現在交渉を進めている。
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