研究課題/領域番号 |
20H02131
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
竹野 裕正 神戸大学, 工学研究科, 教授 (90216929)
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研究分担者 |
中本 聡 神戸大学, 工学研究科, 助手 (10198260)
市村 和也 神戸大学, 工学研究科, 教室系技術職員 (20756001) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | キーワード / 核融合 / 新エネルギー / 直接発電 / 進行波型直接エネルギー変換 |
研究実績の概要 |
令和2年度は,3つの副課題を並行して進めた.進捗状況は8.で説明するが,予測しがたい研究環境の激変があり,それぞれの進捗に影響があった. 1)副課題1:可変径大口径イオン源の製作では,設計と一部部品の調達を行った.構造の概略設計を行い,プラズマ源としてφ100mm,長さ900mmのガラス管を用い,150Aステンレス管で800l/sの排気ポンプと接続する.ガスは,実績のあるピエゾバルブを利用して,パルス的に注入する.排気管には,エネルギー変換部との接続に用いる100Aの枝管を設ける.また,ビーム径は3枚のアパーチャで変化させることとし,同じく排気管を利用して設置する.磁場は7500ATのコイル6個を用い,最大600G以上の一様磁場を長さ50cm以上形成する. 2)副課題2:径方向散乱分析のための模擬実験については,感染症流行への対応で主担当者のエフォートを十分に確保できず,遅れが生じている.また,実験そのものにおいて,十分なビーム電流が得られず,電流増大に向けてイオン源のプラズマ発光強度とビーム電流との相関分析を行ったが,期待した相関を見いだせていない.プラズマ源内の磁場構造の見直しが必要と考えられる. 3)副課題4:模擬実験結果の数値解析では,既存の進行波型直接エネルギー変換器粒子軌道計算コードで粒子の散乱過程を扱える拡張を行う.主担当予定者が他機関へ異動して研究組織を離脱したため,計画に遅れが生じている.現在,元コードを拡張するコーディングの途上にある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
遅れの最たる要因は,感染症の流行に伴う様々な活動制限である.所属機関としての研究活動に対する制限は,6月以降は必ずしも厳しいものではなかったが,授業をはじめとして,教員としての職務である教育活動では,従来と著しく異なる形式が必要とされるために,多大なエフォートを必要とした.特に,5月までの休止を補うために,代表者の竹野の担当授業の一つが後期に移動となったことや,分担者の中本の担当授業が通常は授業割当がない9月に実施されたことなどの影響が大きい.これらの結果として本課題に割り当てるエフォートが大きく減少し,進捗を妨げることとなった. もう一つの要因として,分担者であった市村の異動に伴う研究組織からの離脱がある.異動先が物理的に遠く,これも感染症流行の影響で,出張等が容易でないために,継続して研究組織に留まることは断念せざるを得なかった.このため,市村が主担当であった副課題4を代表者の竹野が代わることとなり,この点でもエフォートの割当が困難となった.
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今後の研究の推進方策 |
8.で説明した様に,計画の遅れの主たる要因は,予測しがたい研究環境の激変であり,課題そのものに起因する要因は大きくない.エフォートを圧迫した教育活動に関しても新形式の体得も進み,感染症に関わる環境の再変化がなければ,本来の研究活動が期待できる.ただし,分担者の組織からの離脱の影響の回復には,有能な人員の追加の検討を続けることとする.令和3年度は,令和2年度に継続して,3つの副課題を並行させる. 1)副課題1:ビーム散乱過程の口径依存性の解析と,疑似自励発振実験でのビーム電流の増大による条件改善の二種の役割を担う可変径大口径イオン源の製作では,昨年度の構造の概略設計と磁場設計の結果を受けて,構造を精密設計して(担当:竹野)部品を調達・組み上げて動作確認を行う(担当:中本,竹野). 2)副課題2:径方向散乱に注目した変調効果時間変化の模擬実験解析では,ビーム電流の増大に向けて,引き続きイオン源磁場分布の改良などで改善を図り,変調効果時間変化の模擬実験と現象解析とを行う(担当:竹野,中本). 3)副課題4:模擬実験結果の数値解析では,既存の進行波型直接エネルギー変換器粒子軌道計算コードで粒子の散乱過程を扱える拡張を行う.最終的には自励発振動作をも再現できるコードへ拡張することを想定する.昨年度からのコーディングを継続し,試験実行,デバッグに続いて過去の散乱を観測した実験の再現を目指す(担当:竹野,宮澤,後藤).
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