高温超伝導線材の開発進展により、超伝導機器の飛躍的な高磁界化や冷却負荷低減の可能性が生まれ、低温超伝導線材が支えてきた超伝導機器応用に大きなブレークスルーがもたらされようとしている。一方、高温超伝導線材における電流輸送特性は、広範な応用範囲を網羅できるような統一的な理解とモデル化が難しく、定量的な機器設計に重大な課題を抱えている。そこで本研究では、従来の計測技術では困難であった(1)低電界領域の電流輸送特性・(2)高電界領域の電流輸送特性・(3)長尺線材の磁界・磁界印可角度依存性の取得を通じて上記モデル化に取り組み、特にエネルギー貯蔵機能を有する超伝導ケーブルの設計や過渡現象の評価に適用した。
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