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2021 年度 実績報告書

エクストリーム信号処理:数理モデリングと深層学習の統合によるスモールデータ解析

研究課題

研究課題/領域番号 20H02145
研究機関東京農工大学

研究代表者

田中 雄一  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10547029)

研究分担者 田中 聡久  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70360584)
石田 寛  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80293041)
小野 峻佑  東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (60752269)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード信号処理 / グラフ深層学習 / 深層展開
研究実績の概要

本年度においては,エクストリーム信号処理のための理論的検討の核となる,以下の3点に関する研究を行った.
1) 深層展開によるグラフ上データの復元:深層展開(deep algorithm unrolling; DAU)は,(凸)最適化の繰り返し処理アルゴリズムのパラメータを誤差逆伝播法などの深層学習技術を用いて学習データから調整する手法の一群である.本年度では,深層展開をグラフ上データ復元のために利用可能とした.数値シミュレーションにおいて,従来の数理モデル手法および深層学習手法と比較し,高性能な復元性能を示すことを確認した.
2) 特徴空間での幾何的な構造を考慮したグラフニューラルネットワーク:グラフニューラルネットワークは,深層学習技術をネットワーク上データに適用した手法であり,機械学習分野で注目を集めている.一方で,画像認識分野で畳込みニューラルネットワークが示したような劇的な性能向上を果たすには至っていない.本年度においては,グラフニューラルネットワークの各層において特徴量がなす「構造」(特徴量間の角度等)を考慮に入れた手法を提案した.点群の分類や被引用ネットワークの分類で優れた性能を示すことを確認した.
3) 多重解像度グラフ学習:ネットワーク上のデータを解析するためには,まずネットワークが必要である.一方で,潜在的なネットワークがあることは期待されるものの,陽に与えられていない状況が存在する.例えばセンサネットワークや環境データなどが代表的である.このために必要な技術が,データからネットワークを学習するグラフ学習である.典型的にはネットワークは時間的に変動する.しかしながら,どの時間的タイミングで変化するかは必ずしも明確ではない.本年度は,時間的に多重解像度を許容するグラフ学習手法を提案した.気温データ等で季節的なネットワークが学習できることを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍で大規模な実験や出張等による打ち合わせはできなかったものの,Zoom等でディスカッションを行うことで理論的な進展を果たすことができた.研究課題においてはある程度順調に進展していると言える.

今後の研究の推進方策

来年度が本課題最終年度であるため,エクストリーム信号処理を創出する上で必要な要素技術の研究開発により意欲的に取り組む.特に,エクストリーム環境で取得された画像の修復に取り組む.海外との共同研究も推し進め,本研究課題を成功に導く.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] ワイツマン科学研究所(イスラエル)

    • 国名
      イスラエル
    • 外国機関名
      ワイツマン科学研究所
  • [国際共同研究] パデュー大学/南カリフォルニア大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      パデュー大学/南カリフォルニア大学
  • [雑誌論文] Structure-Aware Multi-Hop Graph Convolution for Graph Neural Networks2022

    • 著者名/発表者名
      Li Yang、Tanaka Yuichi
    • 雑誌名

      IEEE Access

      巻: 10 ページ: 16624~16633

    • DOI

      10.1109/ACCESS.2022.3149619

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Temporal Multiresolution Graph Learning2021

    • 著者名/発表者名
      Yamada Koki、Tanaka Yuichi
    • 雑誌名

      IEEE Access

      巻: 9 ページ: 143734~143745

    • DOI

      10.1109/ACCESS.2021.3120994

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Design of Graph Signal Sampling Matrices for Arbitrary Signal Subspaces2021

    • 著者名/発表者名
      Hara Junya、Yamada Koki、Ono Shunsuke、Tanaka Yuichi
    • 雑誌名

      Proceedings of IEEE ICASSP 2021

      巻: 1 ページ: -

    • DOI

      10.1109/ICASSP39728.2021.9414240

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Graph Signal Denoising Using Nested-Structured Deep Algorithm Unrolling2021

    • 著者名/発表者名
      Nagahama Masatoshi、Yamada Koki、Tanaka Yuichi、Chan Stanley H.、Eldar Yonina C.
    • 雑誌名

      Proceedings of IEEE ICASSP 2021

      巻: 1 ページ: -

    • DOI

      10.1109/ICASSP39728.2021.9414093

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] エクストリーム信号処理:スモールデータから知見を得る方法2022

    • 著者名/発表者名
      田中雄一
    • 学会等名
      データサイエンス的手法により探求する天文学
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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