• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

ライフサポートシステム実現のための高分解能ミリ波MIMOイメージングアレー

研究課題

研究課題/領域番号 20H02147
研究機関新潟大学

研究代表者

山田 寛喜  新潟大学, 自然科学系, 教授 (20251788)

研究分担者 村松 正吾  新潟大学, 自然科学系, 教授 (30295472)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードMIMOレーダ / モーションセンシング / 2次元アレー / ミリ波レーダ / 仮想アレー
研究実績の概要

初年度である2020年度は,2次元KR-MIMOレーダの最適素子配置理論の確立とテストベッドの試作を中心に進めることを優先し,特に以下の課題の解決を目標としていた.1) 2次元KR-MIMOレーダの最適素子配置理論,2)2次元KR-MIMOレーダ・テストベッドの開発,3) 3次元マイクロドップラ・イメージング手法の開発.世界的な半導体不足により部材調達が困難となったため,2)に関しては次年度繰り越しとなり,実験データによる検証が必要な部分も,その影響を受け,やや遅れることとなった.しかしながら,「2次元KR-MIMOレーダの最適素子配置理論」に関しては1次元KR-MIMOレーダの最適素子配置理論との関連も含め,その理論を明らかにした.これにより,任意の素子数および所望の仮想アレー開口に対する最適設計手法を確立することができた.また,「3次元マイクロドップラ・イメージング手法の開発」に関しては,シミュレーションベースでの検討となったが,アレーの近傍に存在するターゲットに関するイメージングも実現した.特に,今年度のイメージングに関しては,近傍ターゲット時において問題となる球面波に伴う処理を厳密に行うことにより,誤差のないイメージングを実現した.これはレンジマイグレーション手法を導入の前段階である.

これらの成果はライフサポートシステム,すなわち,屋内における人物イメージング(動作認識)や人の流れを止めない危険物検査を実現するセンサとしてのミリ波レーダ応用を広げる基礎となるものである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度である2020年度は,2次元KR-MIMOレーダの最適素子配置理論の確立とテストベッドの試作を中心に進める予定であったが,半導体不足に伴う試作部材(計測用,データ収集用ボード)の調達が大幅に遅れ,当初の3つの目標であった,1) 2次元KR-MIMOレーダの最適素子配置理論の構築,2)2次元KR-MIMOレーダ・テストベッドの開発,3) 3次元マイクロドップラ・イメージング手法の開発のうち,2に関しては,次年度繰り越しとなり2021年度での完了となった.ただし,1)の理論に関しては,1次元アレー時と2次元アレー時の関係を含めた理論を確立し,設計指針を明確化することができている.また, 3)に関しても順調にアルゴリズム開発を進めているが,2)の遅延に伴い,人体各部分におけるマイクロドップラに対する評価を含めたフィードバックを行うための基礎実験が実施不可能であったため,アルゴリズムの評価,最適化等には至っていない.なお,このような事態が生じたため,ミリ波帯における人体構造を踏まえた計算機シミュレーションからのアプローチも行えるよう,ミリ波帯での電磁界シミュレータの整備,および数値人体モデルの調達を行い,実験およびシミュレーションの双方から研究を遂行できる環境を整えた.今後,遅れを取り戻し,当初の予定通りの目標を達成できるものと判断しているが,現時点での進捗としては,やや遅れていると判断した.

今後の研究の推進方策

繰り越しによる対応で試作も完了したため,今後はシステムキャリブレーション手法の確立および各種実験による検証と改良を行う予定である.

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] ミリ波レーダによる高分解能イメージング技術2021

    • 著者名/発表者名
      山田 寛喜
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌B 通信

      巻: J104-B ページ: 66~82

    • DOI

      10.14923/transcomj.2020JBI0001

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ミリ波FM-CWレーダを用いたCNNによる人物の動作分類に関する基礎検討2020

    • 著者名/発表者名
      坂上史弥,山田寛喜,村松正吾
    • 雑誌名

      信学技報,

      巻: vol. 120, no. 77, SANE2020-12 ページ: 19-24

  • [学会発表] Impact of Signal Correlation in 2D Imaging with Khatri-Rao Product Expansion Array2021

    • 著者名/発表者名
      羽澤 帆乃佳,山田寛喜
    • 学会等名
      International Symposium on Antennas and Propagation (ISAP2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] Classification Accuracy Improvement of Traffic Monitoring MW Radar by Velocity Compensation2021

    • 著者名/発表者名
      西村和真,山田寛喜
    • 学会等名
      International Symposium on Antennas and Propagation (ISAP2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] Accuracy Improvement of Human Motion Recognition with MW-FMCW Radar Using CNN2021

    • 著者名/発表者名
      坂上史弥,山田寛喜,村松正吾
    • 学会等名
      International Symposium on Antennas and Propagation (ISAP2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] Khatri-Rao 積拡張アレー処理を用いたMIMO 仮想アレーによる近傍界ターゲットイメージング2020

    • 著者名/発表者名
      羽澤帆乃佳,山田寛喜, 森浩樹
    • 学会等名
      020年電子情報通信学会ソサイエティ大会
  • [学会発表] カトリ・ラオ積を用いた2次元MIMO仮想アレーについて2020

    • 著者名/発表者名
      山田寛喜,羽澤帆乃佳,森浩樹
    • 学会等名
      2020年電子情報通信学会ソサイエティ大会
  • [学会発表] ミリ波FM-CWレーダを用いた交通監視における ターゲット識別手法に関する検討2020

    • 著者名/発表者名
      西村和真,山田寛喜
    • 学会等名
      2020年電子情報通信学会ソサイエティ大会
  • [学会発表] リ波FM-CWレーダを用いたCNNによる人間の動作認識に関する基礎検討2020

    • 著者名/発表者名
      坂上史弥,山田寛喜, 村松正吾
    • 学会等名
      2020年電子情報通信学会ソサイエティ大会
  • [学会発表] ミリ波MIMOレーダによる屋内人物の動作認識に関する検討2020

    • 著者名/発表者名
      坂上史弥, 山田寛喜, 村松正吾
    • 学会等名
      2020年度電子情報通信学会信越支部大会
  • [学会発表] リ波FM-CWレーダを用いた交通監視におけるレーダ観測時間に関する検討2020

    • 著者名/発表者名
      西村和真, 山田寛喜
    • 学会等名
      2020年度電子情報通信学会信越支部大会
  • [学会発表] Khatri-Rao積拡張アレー処理によるMIMO仮想アレーを用いた近傍界ターゲットイメージング2020

    • 著者名/発表者名
      羽澤帆乃佳, 山田寛喜
    • 学会等名
      2020年度電子情報通信学会信越支部大会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi