コストセンシティブなメトロネットワークにおいて、既存ネットワークを効果的に大容量化するための手法(2021年度に初期の結果を発表)を、大規模ネットワークに適用すべく改良し、実際のネットワークを模擬したトポロジにおける数値シミュレーションによりその有効性を明らかにした。本手法では大容量化に寄与するものの、信号劣化耐性と制御自由度が低下する超高密度波長多重をネットワークの一部に導入する。導入個所を複数とした場合の性能解析や、ネットワーク形状への依存性、通信トラフィック量への依存性を解析して国際会議にて発表し、最終的に最難関論文誌の招待論文として結実した。また、コスト削減を目指し光スイッチにより簡便化したノード装置の適用範囲を、同様に実際のネットワークを模擬したトポロジ上で特性解析を行って明らかにした。これまで大規模ネットワークを高頻度で制御する場合においての性能特性が大きいことは明らかにしていたが、メトロネットワークのように比較的ノード数の小さなネットワークにおいて、簡便化したノードは有効であることが明らかとなった。すなわち、光スイッチによるファイバ粒度ルーティングが一定のネットワーク領域で有効であり、光スイッチを用いるが故の低廉なノード装置が使用可能であることが分かった。また波長変換装置の導入と制御アルゴリズムの刷新を行って、ノードの簡便さゆえの性能低下を一定の範囲で補いうることを示した。さらに、これら二つの主要成果を支援すべく、関連する光ファイバ伝送技術の研究開発も併せて実施した。
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