研究課題/領域番号 |
20H02152
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
上田 哲也 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 教授 (90293985)
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研究分担者 |
黒澤 裕之 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 助教 (20708367)
小寺 敏郎 明星大学, 理工学部, 教授 (90340603)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | メタマテリアル / 非相反回路 / ビーム走査アンテナ / ビームスクイント低減 |
研究実績の概要 |
磁性体を用いた非相反メタマテリアルにおいては、ビーム走査アンテナの走査角広角化を目的として、メタマテリアル線路の非相反性増強効果獲得を目指しており、既に提案されているコルゲーション構造を装荷したメタマテリアル線路として右手/左手系複合線路に適用するとともに、同線路の等価回路モデルを提案した。数値計算と比較しながら等価回路モデルの伝送特性を詳細に調べた結果、回路モデルにおいても非相反性増強効果が得られることが分かった。また、非相反性増強効果を獲得する新しい構造の探索のため、2本の非相反メタマテリアル線路からなる結合線路の伝送特性を調べた。非相反結合線路の動作原理を明らかにするために、等価回路モデルを提案した。回路モデルと数値計算結果を比較した結果、どちらのアプローチにおいても広帯域に亘りサーキュレーション動作が得られることが分かったが、一方で、両者の間に大きな差異が見られることも分かった。非相反メタマテリアル伝送線路共振器を用いて、ビーム走査と偏波回転機能を併せ持つアンテナを提案し、機械操作ではあるが、ビーム走査および偏波回転操作をほぼ独立に連続操作可能であることを実験的に実証した。非磁性素子からなる非相反メタマテリアルとして、能動素子を含むリング共振器をメタ分子として基板に含む持つ右手/左手系複合線路を提案した。数値計算により伝送特性を詳細に調べた結果、広帯域に亘りアイソレータ特性が得られることが分かった
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
磁性体からなる非相反メタマテリアル線路および非磁性素子からなる非相反メタマテリアル線路のどちらの研究テーマにおいても、既にいくつかの顕著な研究成果が得られており、また今後発表の予定があることから、進捗状況は良好と言える。
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今後の研究の推進方策 |
コルゲーション構造が装荷された磁性体を含む非相反メタマテリアル線路においては、伝送特性において、既に非相反性増強効果が実証できているので、アンテナの放射特性において印加直流磁界の低減化を検証していく必要がある。非相反メタマテリアル結合線路においては、数値計算結果と等価回路モデルとの間に差異があるため、さらに詳細に調べる必要がある。非磁性素子からなる非相反メタマテリアルにおいては、数値計算により透過係数の大きさに現れる非相反性が獲得できているものの、実験での検証がまだであることと、本研究においては、非相反移相特性を用いる必要があることから、同特性が得られるようメタマテリアル線路構造を改良する必要がある。
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