• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

ナノ空間の高電界を利用した非線形電気インピーダンス応答による細菌1粒子センシング

研究課題

研究課題/領域番号 20H02160
研究機関東京工業大学

研究代表者

山本 貴富喜  東京工業大学, 工学院, 准教授 (20322688)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードナノポア / ナノ流路 / バクテリア / ウイルス / インピーダンス / 交流 / 単一粒子計測
研究実績の概要

前年度までに当初設定していた目的は達せられたため、これまでの研究の過程で生まれた新たな課題の解決に取り組むことで研究を更に深化させるべく、主に次の2点に関して取り組んた。1) カットオフ周波数の広帯域化(高周波化)、2) ニューラルネットワークを利用することによる分類性能の向上。我々が開発したACナノポア法は、測定周波数がサンプリング周波数と同等の役割を果たすため、測定周波数が高い方が情報量が多く正確な測定波形を得られる特徴がある。また、細菌の誘電特性を測定するためにも広帯域での誘電分散計測が必要になる。そこで従来の逆転の発想で、薄膜大面積から厚膜低面積型のナノポアとすることで、ナノポア自体のキャパシタンスを低下させることでカットオフ周波数を昨年度から200倍程高周波化させることに成功し、約2 MHzの帯域を有するナノポアチップを実現した。次に、広帯域ナノポアチップを用いた高精度測定に基づく分類性能の評価を行った。昨年度から約100倍周波数が高い測定周波数に当たる100 kHzから300 kHzで人工粒子、大腸菌、乳酸菌など6種類からなる粒子群の分類を試みた。昨年度に評価したランダムフォレスト、サポートベクトルマシン、k近傍法、ロジスティック回帰などの機械学習の手法で比較したところ、ランダムフォレスト法で最も良い78%以上の分類精度が得られた。一方、新たに開発したニューラルネットワークを用いて分類を試みたところ、9種類の細菌群に対して97%以上もの分類精度が得られた。高精度な測定を実現する広帯域ナノポアデバイスと、ニューラルネットワークを利用した分類器の両方を組み合わせて用いることにより、様々なバクテリアを単一粒子レベルで高精度に分類できることが明らかになった。
以上、本研究課題が目的とする、単一バクテリア計測の実証と高精度分類をより高いレベルで実現するに至った。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Nanopore Impedance Spectroscopy Reveals Electrical Properties of Single Nanoparticles for Detecting and Identifying Pathogenic Viruses2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Kitta, Maami Sakamoto, Kei Hayakawa, Akira Nukazuka, Kazuhiko Kano, and Takatoki Yamamoto
    • 雑誌名

      ACS Omega

      巻: 8 ページ: 14684-14693

    • DOI

      10.1021/acsomega.3c00628

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 交流ナノポア法による単一ナノ粒子のインピーダンス計測とウイルスセンシングへの応用2023

    • 著者名/発表者名
      山本 貴富喜、橘田 和樹、坂本 まあみ、早川 渓、糠塚 明、加納 一彦
    • 雑誌名

      電気学会論文誌E

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] 機械学習による交流ナノポア計測におけるウイルス・バクテリア同定能の高度化2022

    • 著者名/発表者名
      坂本 まあみ,山本 貴富喜
    • 学会等名
      第39回「センサ・マイクロマシンと応用システム」 シンポジウム
  • [学会発表] 交流ナノポア法の広帯域化におけるナノポア形状の数値解析2022

    • 著者名/発表者名
      仲間礼佳、山本貴富喜
    • 学会等名
      第39回「センサ・マイクロマシンと応用システム」 シンポジウム
  • [学会発表] 流路型ナノポアを用いた交流ナノポア法による単一ナノ粒子の周波数特性評価2022

    • 著者名/発表者名
      小若 龍世、山本 貴富喜
    • 学会等名
      第13回 マイクロ・ナノ工学シンポジウム
  • [学会発表] ACナノポア法の広帯域化に向けたナノポア構造の検討2022

    • 著者名/発表者名
      堀 宏輔、坂本 まあみ、山本 貴富喜
    • 学会等名
      第13回 マイクロ・ナノ工学シンポジウム
  • [学会発表] ACナノポア法による単一ナノ粒子の電気物性測定能に関する数値解析2022

    • 著者名/発表者名
      山本 貴富喜
    • 学会等名
      COMSOL Conference Tokyo 2022
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi