量子センシング感度はコヒーレンス時間T2で律速されるが、研究開始当初においてT2は理論値に比べて低い値であった。世界中の多くの研究機関では、T2を長くするために複雑なマイクロ波パルスシーケンスを用いたスピン制御法の提案がなされていたが、材料研究の観点で窒素空孔複合欠陥(NVセンタ)の評価や、それに伴うダイヤモンド結晶の特性向上を行う研究機関は限られていた。 そのような中で、本研究ではダイヤモンド結晶の特性向上によるT2の長尺化を行った点で意義がある。また窒素の極微量濃度域でのドーピングプロファイルや転位を制御することでT2が向上することを明らかにしたことは学術的に意義がある。
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