• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

表面エネルギー制御による量子ドット形成と高信頼性黄色半導体レーザーの実現

研究課題

研究課題/領域番号 20H02192
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

秋本 良一  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 上級主任研究員 (30356349)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード半導体レーザー / 量子ドット / 黄色レーザー
研究実績の概要

本研究の目的は、レーザー活性層に量子ドットを導入したII-VI族半導体材料を用いて、黄色波長域で動作する信頼性の高い量子ドット半導体レーザーを実現することである。これまで報告されてきたII-VI族半導体系の量子井戸レーザーの実用化を阻害した要因は、外部から注入したキャリアが再結合する際に、その近傍にある点欠陥が再結合のエネルギーにより自己増殖し、発光効率が低下することである。活性層に量子ドットを導入することにより、量子ドット内に局在した注入キャリアと活性層に内在する点欠陥との空間分離効果を用いて欠陥増殖を抑制し、信頼性の高いレーザーを黄色波長帯で実現できる可能性がある。これまでの研究で、成長中の結晶表面に電子線を照射することにより、量子ドットが形成される現象を発見していたが、本年度はその形成条件に重点をおいて研究を行った。通常の方法で作成したCdSe量子ドットは緑色(中心波長510~540nm)で発光する。この電子線照射法より形成した量子ドットは、従来の方法では実現不可能であった黄色波長域(~580nm)において、高い量子効率で発光することを確認した。さらに、電子線の照射条件を変化させることにより、緑から黄色の波長で発光する箇所を、基板上の任意の場所に作り分けることが可能となることを確認した。これを応用すると、異なる条件で電子線をストライプ状に照射してアレイ化した場所にレーザー素子のストライブ状の共振器を作製することにより、緑~黄色の多波長レーザー素子アレイを同一基板上にモノリシックに作製することが可能となる。このような多波長アレイレーザーデバイスの基本構造を考案した。以上の研究結果をまとめて特許を出願した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染症対策のため出勤制限があり、実験計画に遅れが生じたため。

今後の研究の推進方策

成長中の結晶表面に電子線を照射することにより、高効率に黄色発光する量子ドットが形成される現象を見出している。その量子ドット形成のメカニズムを解明のための追加実験を実施し早急に論文誌発表を行う。またこれを活性層に用いた素子を作製して劣化抑制効果を検証する

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] 活性層、半導体発光素子、及び活性層の製造方法2021

    • 発明者名
      秋本良一
    • 権利者名
      国立研究開発法人産業技術総合研究所
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2021-127353

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi