研究課題/領域番号 |
20H02198
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹中 充 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20451792)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 光集積回路 / 中赤外光 / ゲルマニウム / センシング |
研究実績の概要 |
低残留キャリア濃度のn型Ge-on-insulator (GeOI)基板を用いて、センシングで必要となる長尺導波路の試作を進めた。低損失化に成功した結果、1.4 cm長の導波路でも良好な導波を得ることに成功した。 また、自由キャリア効果を使ったGe光変調器の研究を進めた。Ge中ではホールに起因した自由キャリア吸収が極めて大きく、これまで光吸収を利用して強度を直接変調する光変調器の研究を進めきた。一方、大きな光吸収を得るための電流値が大きく消費電力が大きいことが課題となっていた。低消費電力化には光位相変調を利用することが望ましいが、マッハ・ツェンダー干渉計を用いた場合、光吸収が大きく、変調消光比が劣化してしまう。そこで、リング共振器を使った光変調器の試作を進めた。リング共振器を使うことで、変調に必要な電流を減らすことが可能となり、光吸収の影響も低減可能となる。試作したリング共振器を評価した結果、自由スペクトラム間隔2.9nm, Q値3820と良好な共振特性を得ることに成功した。低損失化に成功した結果、20 dB以上の消光比が得られた。導波路に沿って作製したPIN接合に順バイアスを印加して光変調器としての特性を評価した結果、2 mAの電流注入で18 dBの消光比を得ることに成功し、Ge-on-insulator基板上で光位相変調器の動作実証に成功した。Ge-on-Si構造を用いた光変調器と比較して、変調効率が10倍以上改善し、低消費電力動作を実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ge-on-insulator基板の高品質化に成功するとともに、Ge導波路の低損失化を実現した。またセンシングで必要となる光強度変調器や光位相変調器、受光器の実証にも成功するなど、センシング・プラットフォームの実現に向けた基盤技術が整いつつあり、おおむね順調に研究は進呈していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
動作波長拡大に向けた素子設計や測定系の構築を進めるとともに、センシング応用に向けた素子試作を進める。
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