研究課題/領域番号 |
20H02200
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西山 伸彦 東京工業大学, 工学院, 教授 (80447531)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 半導体レーザ / 接合 / 半導体薄膜 / オンチップ光配線 |
研究実績の概要 |
初年度である2020年度において、まず、メンブレンレーザの最適な光閉じ込め構造の提案として、横方向埋め込みリッジ構造と縦方向ACPM構造について理論計算を行った。まず横方向埋め込みリッジ構造では、適切なリッジ高さを形成することによって光閉じ込め係数の向上とともに、電極-活性層間距離を短縮できることから、電気抵抗も低減できることを明らかにした。またACPM構造については、電流を注入していった際のキャリア分布の共振方向不均一性が導入によって緩和されることを明らかにした。ACPM構造については、引き続き2021年度も数値計算を継続することとしているが、横方向埋め込みリッジ構造では、構造を決定したため、実際に作製を行った結果、従来に比べ20%のしきい値低減と、35%の電気抵抗低減を同時に実現できることを実証した。 また、熱抵抗低減のためのSiナノフィルムを利用した直接接合について、その条件を最適化し、フォトルミネッセンス測定やX線回折測定を通じて、ウェハへのダメージなどはほぼないことが分かった。また、CMPプロセスで、結晶再成長で生じた表面の凹凸を平坦化するプロセスの確立にも成功した。そのため、当初の計画を先取りし、実際にこの接合方法を利用したメンブレンレーザを作製した結果、室温連続発振を達成するとともに、環境温度を変化し特性を測定することによって、従来に比べ熱抵抗を50%低減することに成功した。これは、理論計算で計算した値とほぼ一致し、接合方法変更による熱抵抗低減が可能であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
直接接合に関して、当初計画では、フォトルミネッセンスなどで接合における劣化がないことを示すとしていたが、実際にレーザ素子を作製し、その効果を立証するところまで進んだため
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画以上に進展しているため、このまま継続する
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