研究課題
基盤研究(B)
将来のCMOS回路上のオンチップ光配線実現に向け、低消費電力動作で期待される半導体メンブレンレーザの究極の高効率化を目指し、研究を行った。シリコンナノフィルムを利用した直接接合技術を実現する事で、従来の半分となる熱抵抗を実現し、100度を超える環境でも動作することを実証した。また、光閉じ込めを「適度」に高めることにより、ホールバーニングを避けつつ、しきい値を低減することに成功した。最後にこれらの技術を利用して、光集積回路を作製し、10Gbps以上でのチップ内データ伝送を実現した。
光エレクトロニクス
本研究成果により、シリコン基板上のオンチップ光配線が効率よくデータ伝送が可能であることを示した。この成果は、近年問題になってくるトランジスタの小型化による、チップ内伝送距離の長尺化によるデータ伝送速度の制限をうち破り、トランジスタ自体が速くなればなるほど、チップの性能を向上できるという本来の流れに戻すことが可能となる。これは、今後も続いていく情報処理量の増加への要求に答えるため、重要な取り組みであると理解できる。