研究課題/領域番号 |
20H02205
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
村田 博司 三重大学, 工学研究科, 教授 (20239528)
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研究分担者 |
塩見 英久 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00324822)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 5G 無線 / アンテナ / 光変調 / 光ファイバ無線 |
研究実績の概要 |
1.無線-光信号変換デバイスの動作解析・設計 3次元電磁界シミュレーター HFSS を用いた解析・設計を行った。5G無線通信システムで用いられる周波数帯(28 GHz 帯)をターゲットとして、この周波数帯で動作する3次元アンテナ構造無線-光信号変換デバイスの電磁界解析と設計を行った。その結果、2段積層構造を用いることで、予想通り、無線-光信号変換のための電界増強効果が得られることを確認した。さらに、3段以上の積層構造を用いることで、信号変換効率をより向上できる見通しを得た。2段積層および3段積層の場合の共振周波数のシフト量を求めて、28 GHz 帯で動作する無線-光信号変換デバイスの設計を行った。 2.デバイスの試作・実験 予備実験として、ニオブ酸リチウム結晶を用いたチャネル型単一モード光導波路の試作と特性評価を行った。プロトン交換法を用いて波長 1.5 μm光のための光導波路を試作した結果、良好な導波特性が得られることを確認した。また、積層アンテナ構造作製のための蒸着、パターニング実験も行い、所期の構造を作製するための作製条件を得た。さらに、光ファイバーの波長分散を利用して 28 GHz 帯無線信号処理を行うための基本動作実験を行った。波長の異なる2光波を高速光変調器に入力して無線信号によって同時に変調した後、所定の長さの光ファイバー中を伝送させた後に復調(光-電気変換)することにより、無線信号の時間領域における畳み込み処理が可能であることを実証した。この無線信号処理に関する研究成果について、日本光学会年次大会 OPJ 2020 および国際学会 IWRIS 2020 に投稿して発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デバイスの解析・設計については良好な特性を得ている。当初予定よりも高い変換効率が得られる可能性を見出した。 一方、試作・実験については、基本となる光導波路作製に成功している。コロナ対応のために少し試作が遅れているが、令和3年度の計画遂行には支障がない見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通りに実施できる見込みである。
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