研究課題
テラヘルツ波励起および光励起による磁性体の超高速スピンダイナミクスを明らかにすることを目的とし、研究を実施している。特に光励起過程における電子励起やフォノン励起によるマグノンへの寄与の過程や、テラヘルツ励起による直接マグノンを励起・制御することを実験的に実証する。磁性体中での磁気ダイナミクスについて、磁気光学効果による検出のみならず、テラヘルツ波による磁化の検出や、光励起スピン流からのテラヘルツ波放射を基に研究を進めた。対象の磁性体は、希土類オルソフェライトや金属磁性体ヘテロ構造試料である。どちらの試料についてもフローティングゾーン法、マグネットスパッタリング法にて、我々で作製したものである。昨年までに光励起やスピン流からのテラヘルツ波放射に関しては、計画以上の成果がでている。最終年である本年にて、テラヘルツ励起のスピン再配列転移の制御にて成果がでている。メタマテリアルによるテラヘルツ磁場増強効果を利用して、磁気モードの共鳴励起により、実現できている。現在本成果については論文投稿中である。またテラヘルツ波の技術を利用した電気光学効果を用いて、超高速電場分布のシングルショット計測を、電子線パルスが誘起するクーロン場に適用した実験において、電場の収縮過程の時空間分布測定に成功した。この成果は、電磁気における特殊相対論の基本部分の初めての実験的な実証に相当し、Nature Physics誌に掲載されるなど高い注目を得ている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (33件) (うち国際学会 19件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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http://nak.matrix.jp/study/list.html