研究課題/領域番号 |
20H02212
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
廖 梅勇 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主席研究員 (70528950)
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研究分担者 |
戸田 雅也 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40509890)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ダイヤモンド / MEMS / 磁気センサ / 高温 |
研究実績の概要 |
ダイヤモンドMEMS高温磁気センサーを開発するために、高い品質因子(Q値)を持つダイヤモンドMEMS共振子及びダイヤモンドの上に高温磁歪材料の成長は重要です。2018年以来、ダイヤモンドMEMSの高速成長技術を開発したによって、Q値20000を超えた高品質ダイヤモンドMEMSの作製に成功してきました。続いて、(1) R3年度は、ダイヤモンド高速ドライエッチング技術を開発に成功し、エッチング速度を20倍に改善し、Q値を20000から200000に向上しました。(2) 一方、ダイヤモンドの上に成長された磁歪材料FeGa薄膜の結晶構造、表面形態、磁気特性に及ぼす成長条件の影響を調査しました。 表面粗さが1nm未満、保磁力(Hc)が26.2 Oe、飽和磁化磁場(Hs)が450 Oe、残留磁気比(Mr / Ms)が0.9を持つ優れた結晶化磁歪材料FeGa薄膜得られました。(3) ダイヤモンドMEMSのQ値に対するFeGa薄膜の影響も調べしました。Q値が8000から3000に低下しでも、磁気センシングにはまだ十分な高さであることがわかりました。(4) 更に、室温から高温700°CまでダイヤモンドMEMSの共振周波数法によって、ダイヤモンドヤング率の温度依存性を研究して、ダイヤモンドMEMSの高い熱安定性(6ppm/K)をわかりました。したがって、ダイヤモンドMEMSは優れた熱安定性を持ち、高温磁気センシングへ応用を期待しています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、ダイヤモンドMEMSの高温特性を十分に調査し、磁気FeGa薄膜特性を最適化し、高Q値ダイヤモンMEMS共振子の効率的なダイヤモンドエッチングを実現しました。更に、ダイヤモンMEMSの700oCまでの優れた熱安定性を解明しました。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は最終年度として、高感度・773K高温でも高信頼性を持つ全電気的な集積化ダイヤモンドMEMS磁気センサの作成と評価する。具体的には以下の研究を遂行する。 1.磁気センサの感度とダイヤモンドMEMS性能の依存性の研究:過去2年間の結果に基づいて、(a) ダイヤモンドカンチレバー力の感度と共振周波数、品質因子の依存性を深く分析して、最適的なダイヤモンドカンチレバーを作製する。(b)磁気材料FeGa或いはFeGaB薄膜を堆積したダイヤモンカンチレバーも評価し、最適的な磁気薄膜の厚みとダイヤモンドカンチレバーの寸法を決定する。 2.全電気的なダイヤモンド MEMS磁気センサの作製と電気評価:(a)磁気薄膜FeGa 或いはFeGaBは磁気センシングの電気的な読み出し電極として、金はダイヤモンドカンチレバーの駆動電極として、全電気的なダイヤモンドMEMS磁気センサを作製する。(b)室温から773Kまでに磁気薄膜の電気抵抗と温度の変化を評価し、適切な堆積条件が検討される。(c)駆動電圧とセンシング感度を室温から773Kまでに評価する。 3. MEMS磁気センサの高温感度と信頼性評価:(a)室温から773KまでにダイヤモンドMEMS磁気センサの感度とノイズを測定する。(b)773Kで20時間を守るMEMS磁気センサの感度を評価する。(c)773Kで20時間までに磁気センサの共振周波数と品質因子の安定性を評価する。(d)最終的に、最高の磁気センシング特性を持つダイヤモンドMEMS構造磁気センサを開発する。
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