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2021 年度 実績報告書

複合劣化した鉄筋コンクリートに対する防食技術の開発と維持管理手順の提案

研究課題

研究課題/領域番号 20H02224
研究機関金沢工業大学

研究代表者

宮里 心一  金沢工業大学, 工学部, 教授 (60302949)

研究分担者 伊藤 始  富山県立大学, 工学部, 教授 (10553133)
上原子 晶久  弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (70333713)
斎藤 豪  新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90452010)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード鉄筋コンクリート / 複合劣化 / 塩害 / ASR / 凍害 / 腐食速度
研究実績の概要

「塩害とアルカリシリカ反応(ASR)」あるいは 「塩害と凍害」による複合劣化を対象に、物質移動を考慮した腐食反応のメカニズムを解明すべく、腐食速度を定量的に評価するための実験を継続した。すなわち、6つの要素に分割した鉄筋を埋設したφ5×h20cmのモルタル供試体を作製し、それぞれの複合劣化および単独劣化を促進する環境下に暴露した。その内の一部の供試体に関して、6か月間および1年間の暴露後、ASRの膨張量あるいは凍害によるひび割れ密度、塩化物イオン浸透深さ、マクロセル・ミクロセル腐食電流密度、アノード・カソード分極曲線、および電気抵抗を測定した。なお、残りの供試体は、3年度目に暴露を継続する。
2021年度の測定結果として、ASRの単独劣化(ケース1)、内在塩分による塩害とASRの複合劣化(ケース3)では顕著なひび割れが生じ、膨張していることを、一方で内在塩分による塩害の単独劣化(ケース2)では無ひび割れで膨張しないことを確認できた。主な知見は、次のとおりである。(1)ケース3の鉄筋腐食速度は、ケース2の腐食速度と比較して、速くなった。(2)ASRにより生じたひび割れを介して、外部環境中の酸素が鉄筋に供給され、カソード反応は進行し易くなった。(3)塩化物イオンの存在により、電気回路は形成し易くなった。一方、ASRのひび割れにより、電気回路は形成し難くなった。そのため、塩害の単独劣化の場合にモルタル比抵抗は最小となり、一方ASRの単独劣化の場合にモルタル比抵抗は最大となった。また、複合劣化の場合のモルタル比抵抗は、両者の中間になった。
さらに、研究を推進するにあたって、研究代表者と研究分担者は、オンライン会議にて、研究進捗に関して意見交換した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍も落ち着き、実験は概ね順調に進んでいる。ただし、出張は規制されているため、進捗に関しては、対面ではなく、オンライン会議で意見交換した。

今後の研究の推進方策

引き続き、計画に則って、研究を推進する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 塩害とASRの複合劣化が生じたモルタル中鉄筋の腐食速度2022

    • 著者名/発表者名
      菅原典大、宮里心一
    • 雑誌名

      セメント・コンクリート論文集

      巻: 75 ページ: 263~269

    • DOI

      10.14250/cement.75.263

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 塩害とASRの複合劣化が生じたモルタル内部鉄筋の腐食速度評価2021

    • 著者名/発表者名
      菅原典大、宮里心一
    • 学会等名
      セメント技術大会
  • [学会発表] コンクリート構造物の複合劣化2021

    • 著者名/発表者名
      宮里心一
    • 学会等名
      セメント技術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 補修・補強を省力化した鉄筋腐食の生じたRC部材における電気化学的検討2021

    • 著者名/発表者名
      上原子晶久、伊部颯
    • 学会等名
      土木学会全国大会第76回年次学術講演会

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公開日: 2023-12-25  

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