研究課題
2023年度の実績は主に3つある。第一に、2024年1月に紀伊水道沖に設置した新規の孔内観測点における間隙圧のリアルタイム解析を開始した。加えて、気象海象による海底圧力の擾乱成分を海洋モデルJCOPEを用いて定量評価するシステムを稼働させた。これらの結果を毎月の気象庁検討会および地震調査委員会の月例会議にて報告する体制を整えた。第二に、2023年3月に発生したスロースリップイベントについて詳細な解析を行い、すべりが浅部に向かって伝播していることを間隙圧データから直接捉えることに成功した。また気象海象による海底圧力の擾乱について定量評価を行い、黒潮蛇行による誤認リスク軽減の環境も整えた。第三に、Gore-TexによるHOBO温度湿度計の保護による影響実験をむつ研究所にて実施した。その結果、本研究で独自に開発した防水透湿加工が湿度測定に与える影響は小さいことを実証した。これと並行して、春と秋にウェーブグライダーにHOBO温度湿度計とCTD JES10miniを取り付け観測を行った。本研究課題の終了後も、この観測手法を他の研究プロジェクトにも適用する予定である。これらの成果を国際学会・研究集会などで発表し、テキサス大学およびドイツ海洋研究所(GEOMAR)との共同研究の話題としても取り上げられた。国内においては、新規孔内観測点の設置経験を踏まえて、日向灘や足摺沖での設置が予定されている新規孔内観測計画へのフィードバックにも繋げる。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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