研究課題/領域番号 |
20H02237
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
風間 基樹 東北大学, 工学研究科, 教授 (20261597)
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研究分担者 |
大矢 陽介 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 上席研究官 (30571202)
森 友宏 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (40552394)
権 永哲 東北工業大学, 工学部, 准教授 (70805283)
加村 晃良 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80761387)
河又 洋介 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 主任研究員 (90740994)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | プレッシャメータ試験 / 繰返し / 液状化 / 原位置調査 / 試験装置開発 / SWS試験 |
研究実績の概要 |
1)繰返しPM試験を実現するために、まず、既存のシステムの単調載荷の圧力制御システムを改良して圧力制御の繰返しとして3段階・各最大10回までの繰返しができるようにした。次に、別途、流量制御(ひずみ制御)方式の載荷システムを一から組み上げて、LabViewによる制御プログラムを開発した。 2)上記の二つの制御方式の適用性を確かめるため、兵庫県三木市の兵庫耐震工学研究センターにある野外地盤材料ストックヤードを借用し,3つのゾンデを使用した試験を実施した。この実験では、緩い砂質土地盤を対象として,地下水位有の状態となしの状態の両方で、繰返しPM試験を実施した。試験中には,繰返しに伴う地盤内応力を計測するため,土圧および間隙水圧をモニタリングした。その結果、繰返し載荷による孔壁周辺地盤の剛性低下挙動を捉えると共に,土圧や間隙水圧の変化をとらえることができた。しかしながら、流量制御方式の載荷では、流量制御速度の面で予定した制御ができなかったこと、対象とした砂地盤の透水係数と排水長が短かったため繰返しによる過剰間隙水圧の消散速度が速く、過剰間隙水圧の蓄積挙動が見られなかったなど、課題を残した。 3)一方、地盤の物性評価のため、低加重の SWS 試験のトルク値を用いた造成盛土の締固め層厚の探索試験も実施した。比較的、浅い低拘束圧の緩い地盤でも、低加重の SWS 試験によって、締固めの程度をかなり詳細にとらえることができることが可能であることがわかった。 4)上記の実験結果は、年次報告レベルであるが学会で発表した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)繰返しPM試験装置の開発においては、圧力制御方式のものについては、ほぼ現場で適用可能なものとしてほぼ完成しており、1年目の成果としては予定通りである。したがって、比較的孔内の変位量が小さい固い地盤に対する試験は可能となった。一方、流量制御方式については,流量を制御するデバイスの能力に限界があるため,大流量の制御に課題があり,試験時間の短縮を見据えて改良が必要である。また、実地盤での適用の際に、どの程度の応力(あるいはひずみ)で何回繰返しを行うのかを設定する必要があるが、その考え方を理論的・実用的な面から吟味することも必要であり,2年目における大きな課題である。 2)また、繰返し試験の載荷速度については、対象地盤の透水係数や排水境界条件に依存するので、地盤特性と載荷速度の関係を室内試験で検討する予定である。これについては2020年度に実験室内での繰返しPM試験ができるように円筒形の土槽を導入したので、兵庫耐震工学センターで実施した試験を地盤条件や載荷条件を多様に変化させて繰返し実験ができるようになっている。 3)最終年に、向けて原位置での実地盤への適用に向けて、実施計画を立案し、準備を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1年目の実験結果を基にして、上記に示した課題が明確になっているので、その払拭のために、室内において、繰返し確認試験ができるように環境が整えたので、3年目の原位置試験を見据えて具体的に進めて行ける体制になっている。
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