研究課題
本研究は、①豪雨時の崩壊前兆のメカニズムを考慮した斜面の状態把握の方法と警報基準の検討、②弾性波を用いた斜面表層の状態変化と初期変位の検出 について、模型実験と実斜面の観測で検証することを目的としている。2022年度は、実斜面での人工降雨による崩壊実験を高知県で行い、崩壊前の微小変位と、表層内の弾性波速度の変化の計測を試みた。変位に関しては、共同で実施した協力機関による変位計、傾斜計の計測のデータを分析したほか、高分解能のカメラおよびステレオカメラを用いた連続撮影で、画像解析による変位の検出を試みた。また、弾性波速度については、実斜面で深さ1m程度まで弾性波が伝わるような加振装置を開発し、崩壊の危険のある斜面の表層を、遠隔操作で安全に加振して、弾性波の伝播を測定した。ただし、斜面に1日かけて多量の人工降雨を与えたにもかかわらず、斜面が崩壊しなかった。このため、日を改めて法尻部の堀削によって崩壊を誘発する方法をとることになった。また、室内実験では、前年度に続いて多層せん断土槽を用いた模型実験を行い、特に雨水の浸透過程の観察と、せん断の進行に伴う水分量の変化に注目し、モニタリングによる変位と水分のデータの解釈について考察した。また、その過程での土層内の弾性波速度の変化についても観察した。また、不飽和土の基本的な特性の把握として、三軸圧縮試験において、不飽和土の締固め時の水分量が剪断強度に与える影響について検討した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of GEOMATE
巻: Vol.24, Issue 101 ページ: pp.43-51
10.21660/2023.101.3645