本研究は、①豪雨時の崩壊前兆のメカニズムを考慮した斜面の状態把握の方法と警報基準の検討、②弾性波を用いた斜面表層の状態変化と初期変位の検出を目的としている。多層せん断土槽などを用いた模型実験では、特に雨水の浸透過程と、それに伴うせん断の進行に注目し、現場での観測データの解釈について考察した。また、その過程での土層内の弾性波速度の変化も観察した。実斜面での人工降雨による崩壊実験を高知県で行い、崩壊前の微小変位と、表層内の弾性波速度の変化の計測を試みた。また、不飽和土の基本的な特性の把握として、三軸圧縮試験において、不飽和土の締固め時の水分量がせん断強度に与える影響について検討した。
|