研究課題/領域番号 |
20H02271
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高山 純一 金沢大学, その他部局等, その他 (90126590)
|
研究分担者 |
二神 透 愛媛大学, 防災情報研究センター, 准教授 (40229084)
後藤 由和 金沢大学, 医学系, 准教授 (60282167)
柳澤 吉保 長野工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (70191161)
中山 晶一朗 金沢大学, 融合科学系, 教授 (90334755)
西野 達也 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (90403584)
藤生 慎 金沢大学, 融合科学系, 准教授 (90708124)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 3次救急医療・救急搬送 / ドクターヘリシステム / ドクターカーシステム / 国民健康保険データベース / AED・救命措置 / 5G / 新型コロナウイルス感染拡大 / 衛星画像解析 |
研究実績の概要 |
前年度(2020年度)実施できなかった全国の主要消防局(消防署)を対象とした救急搬送に関する実態調査を実施した。当初の研究計画では、通常の救急搬送実態を調査する計画であったが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、前年度の調査実施ができなかったので、本年度の調査では、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急搬送への影響についても調査することとした。具体的には、(1)消防署(消防本部)内で、取っている感染防止対策、(2)救急隊の通常出動時並びに新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に、取っている感染防止対策、(3)新型コロナウイルスの感染拡大前後における搬送件数(搬送困難事案の件数)、(4)消防本部(消防局)の救急隊員・職員の新型コロナウイルス感染者数、(5)救急搬送患者の受け入れを停止した病院の受け入れ停止期間と病院名などの調査を行った。また、47都道府県における感染状況の実態についても、アンケート調査を実施した。 なお、他にも以下に関する研究を進めた。1つは、救急救命措置に関すること、2つ目は高齢者介護保険事業に関することで、老人保健福祉圏域別の見込み需要の型は各圏域によって異なることを明らかにした。大都市部では訪問系サービス、地方都市部と過疎地域では通所系サービスの利用者出現率がもっとも高く、これらの傾向は短期的には変わらない。3つ目は、通常時ならびに被災時における駆けつけ搬送のより望ましい消防署,地域,後方病院の組み合わせを検討する方法を提案した。4つ目は、大規模災害発生時における救急搬送要請を見つけ出す方法(衛星画像解析による方法)の実用化に向けての課題を明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、前年度実施予定であった救急搬送に関する全国調査(全国主要消防局・消防署を対象としたアンケート調査)をようやく実施することができた。ただし、まん延防止重点措置が解除されたのが、2022年3月21日であり、その後もまだ感染者数が一定程度発生していたことから、アンケート調査票の回収にかなりの期間を要した。ゆえに、調査結果の集計までには、至ることができなかった。 今回、通常期ではない状況(新型コロナウイルスの感染拡大の影響)の中での救急搬送業務となっているので、その業務への影響を追加で調査した。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度に実施した新型コロナウイルス感染拡大状況下での全国を対象とした救急搬送業務の実態調査(全国調査)結果を集計分析するとともに、残された課題を明らかにしたい。具体的には、(1)新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けた救急搬送業務の内容(救急搬送時間への影響:大幅遅延等)の分析、救急受け入れ病院への影響(救急病院でのクラスター発生による救急受け入れ停止)を分析する。また、新型コロナウイルスの感染拡大状況の中においてもドクターヘリ・ドクターカーによる出動実績は大きな成果を上げていると予想される。今後、それらの成果を具体的に明らかにできたらと考えている。 また、通常の連絡手段が使えない状況(固定電話や携帯電話による通信ができない状況)が発生した場合(広域的な大規模地震災害発生時など)には、衛星通信や衛星画像解析が有効となるので、その実用化の課題を明らかにしたい。
|