研究課題
本研究課題は,MaaSへの社会実装が進む中,今後発生が強く懸念される条件不利環境下での「モビリティ・サービス・ギャップ」の影響を抑制するため,過疎地等の条件不利環境下に適応するMaaSについて,行動の理論分析と社会への実装を行うことを目的とする.研究所年度である2020年度は,「I.条件不利環境下の交通行動・MaaSに関連する研究のレビュー」については,条件不利環境下での交通行動やMaaSの開発・普及・評価に関する学際的なレビューを行い,認識共有を深め,本研究の方向性に対する認識を共有した.「II.相互作用考慮型交通行動予測モデルの開発」については,「II-a) 社会的相互作用や利他的意識を考慮した統合型交通サービス・情報提供の受容可能性分析」では,国内のMaaSの導入検討地域および実証実験実施済みの条件不利地域を対象に,一般化しつつある既存のMaaSサービスを参照し,条件不利環境下での,必要とする情報や現時点で一般化されている統合型交通サービス・統合型情報の需要可能性やニーズ,移動や生活活動における他者との関係性,をアンケート調査により把握した.「II-b) 社会的相互作用を考慮したサブスクリプションの受容可能性分析」では,「都度払い」が中心の公共交通運賃から,「定額乗り放題」や金額の一部を自治会組織に還元するなどの料金や契約形態の設定による交通行動やサブスクリプション契約の意思決定構造について明らかにするため,上述の地域でSP調査を実施しデータを得た上で,サブスクリプションの購入意向や行動変容の意思を確認し,理論分析を行なった.さらに,関係者の協力を得て,当初2021年度以降に実施を予定していた「サブスクリプション運賃の実施による行動変容実施調査」の実証実験を進めることができた.加えて,「利他的意識・相互作用考慮型交通行動・需要予測のモデル開発」も着手している.
1: 当初の計画以上に進展している
2020年度はCOVID-19の影響も懸念されたが,研究者間や研究協力者,団体等の協力を得て,想定より円滑に研究を進めることができた.当初2021年度以降に実施を予定していた「サブスクリプション運賃の実施による行動変容実施調査」の実証実験を進めることができた.加えて,「利他的意識・相互作用考慮型交通行動・需要予測のモデル開発」や,「条件不利環境下対応型MaaSシステムの開発と評価」も着手できている.
上述のように2020年度は想定よりも円滑に研究が進んでおり,研究2年目の検討事項を前倒しして着手することができている.2021年度もできるだけ研究を前倒しで進めるように心がけるとともに,研究成果の社会実装についても,行政等関係機関とも円滑な連携を図り踏み込んでいけるように考えている.
すべて 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
土木学会論文集D3
巻: Vol. 76, No. 5 ページ: I_1197~I_1208
10.2208/jscejipm.76.5_I_1197
巻: Vol. 76, No. 5 ページ: I_1465~I_1475
10.2208/jscejipm.76.5_I_1465
巻: Vol. 76, No. 5 ページ: I_193~I_208
10.2208/jscejipm.76.5_I_193
土木計画学研究・講演集
巻: Vol. 63 ページ: CD-R
100th Annual Meeting of the Transportation Research Board
巻: Vol.100 ページ: OnLine
土木学会論文集F6(安全問題)
巻: Vol. 77, No.1 ページ: 登載決定
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻: Vol. 77 ページ: 登載決定
巻: 62 ページ: CD-R
巻: 61 ページ: CD-R
巻: Vol 61 ページ: CD-R
土木学会中国支部第72回研究発表会発表概要集
巻: Vol. 72 ページ: CD-R
巻: Vol. 62 ページ: CD-R
巻: Vol. 61 ページ: CD-R
https://www.ykandalab.net