研究課題/領域番号 |
20H02303
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
神戸 渡 関東学院大学, 建築・環境学部, 准教授 (90453000)
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研究分担者 |
瀧野 敦夫 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (10403148)
澤田 圭 北海道大学, 農学研究院, 講師 (10433145)
岡本 滋史 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (20769806)
鈴木 賢人 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80757055)
小林 研治 静岡大学, 農学部, 准教授 (90576240)
中島 昌一 国立研究開発法人建築研究所, 構造研究グループ, 主任研究員 (90734210)
落合 陽 東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 講師 (90822346)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 割裂強度 / 集成材 / ドリフトピン / 接合部 |
研究実績の概要 |
2021年度は、木質部材に鋼板挿入型接合を適用し、その接合部における割裂強度に関する実験的研究を行った。日本建築学会 木質構造設計規準には、割裂強度を算出するための材料定数として割裂破壊定数が定められており、本試験で用いた材料を用い、割裂破壊定数を求めるための試験を行った。また、同材料を用いた鋼板挿入型接合を適用した接合部の鉛直加力試験を行った。ちなみに、用いた材料は異等級構成集成材、樹種はオウシュウアカマツである。鋼板挿入型接合では、接合具としてφ16と18と20のドリフトピンを用いており、それらを配置する方法を試験パラメータとした。また、部材の梁せいとして450mm、600mm、1000mm、1500mmのものを用いており、これらを試験パラメータとした。ドリフトピンの配置は矩形配置のものと、円形配置のものを設けており、この配置計画は既往の研究を参考とし、設定した。以上の試験パラメータのものを各1体ずつ試験体を用意し、全8体を用意した。 試験の結果、接合部試験体の割裂荷重が学会で提唱されている式よりも小さい値で発生することが確認された。計算結果と試験結果が近い値となるためには、梁せい(h)に対する加力側材縁からの接合部までの距離(he)の比率he/h=αが0.7程度にすることが適切ではないかということが検討よりわかった。本研究で取り扱った試験体は、これまでにない規模のものであったため、規準に示されている式の適用方法に関して、今後検討する必要があると考えられる。 また、上記より小規模の試験体を用いた実験を行った。これは、規準の式の適用性を検証するためのものである。ドリフトピンの配置を4つ考えた試験体を用意し、試験を行った。その結果、式が適用できるものとそうでないものがあることが確認された。この要因に関して、今後検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、社会情勢などが原因で、ほとんど検討ができなかった。2021年度は当初、2020年度実施する予定であった検討を行った。そのことから、全体としての進捗状況は遅れていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に実施した試験結果を考慮することと、当初の計画より研究計画の変更を考えている。当初は、柱脚接合部にも焦点を当てた検討を考えていたが、梁部材を用いた接合部においても解明できない点が多いと考えられ、その部分を解明することに注力するべきと考えている。 そこで、2022年度は前年度の研究成果を踏まえ、ドリフトピンの配置と梁せいをパラメータとした試験を行い、それらの結果と規準式を比較検討し、新たな式の提案を目指す。
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