研究課題
本研究は研究の最終年度として、方法論に関する研究会の開催とともに今後の出版企画に向けた準備作業を行った。研究会についてはオンラインで1回、対面で2回実施した。まず5月15日の第1回研究会はオンラインで実施した。報告は飯田市歴史研究所の岩田会津氏にお願いし、「中近世鎌倉の空間骨格―「町」と「谷戸」―」と題したお話をいただいた(出席者6名)。同報告では国宝館に所蔵される地籍図・地籍台帳を利用した鎌倉の空間復元の手法が紹介され、「谷戸」と「町」の二元的な空間構造について論じられた。次に7月24日の第2回研究会は京都府立大学文学部にて対面で実施した。報告は京都府立大学の上杉和央氏にお願いし、「景観へのアプローチ――日本の歴史地理学と景観」と題したお話をいただいた(出席者8名)。同報告では歴史地理学分野の方法論と「景観」の考え方について解説された。質疑では「空間」という用語についての建築学と歴史地理学とでの意味合いの違いについても話題となった。第3回研究会は11月1日に古代学協会にて対面で実施した。報告は同志社女子大学の山田邦和氏にお願いし、「歴史都市復元の方法」と題したお話をいただいた(出席者7名)。同報告では京都を中心に、文献と発掘成果から都市の復元図を作成する方法論について解説いただき、都市の図化について大きな示唆をいただけた。出版企画についての準備作業としては、メンバーの松山氏・初田氏から、近現代についての都市空間史の方法論を論集としてまとめる必要性が提起され、両氏と出版社を交えて企画の検討を行っている。これについては本科研の研究期間終了後も継続して進めていく予定である。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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