研究課題
複合材自動積層時に発生するプリプレグテープ間のGapは、繊維うねりや樹脂過多部の発生につながり、結果として成形品の機械特性や形状精度が悪化することが知られている。しかしながら、樹脂固化前の変形・流動メカニズムについては十分な理解が進んでいない。そこで光ファイバ形状センサを様々な幅のGapを導入した積層板に埋め込み、Gap幅に依存した変形メカニズムを評価した。Gap幅が広い場合には、Gap上方の層がGapに落ち込み、下方の層と接触することでGapが閉じ、それ以降は変形が停止することが分かった。一方で、Gap幅が狭い場合にはGapが閉じず、Gap上方と下方の層の間に流入した繊維と樹脂によって、Gapに落ち込んだ上方の層が押し上げられ、変形が部分的に修復するという興味深い現象を捉えることに成功した。この変形・流動メカニズムに着想を得て、より積極的に流動を促進する加圧プロファイルを用いることでGap部に生じる変形を部分的に抑制可能であることを実証した。また同時に米国Delaware大と研究協力を進め、繊維・樹脂の流動とGap上方の層の粘弾性曲げ変形を連成させたシミュレーションモデルを構築し、計測された変形の時間変化を良く再現する計算結果を得た。さらに、英国Bristol大学に3週間滞在して複合材コーナ部のプロセスモニタリングに取り組んだ。光ファイバ形状センサと圧力分布計測シートを同時に使用することで、成形中の金型/部材間の圧力変動と部材形状変化の時間領域での相関を評価し、形状センサのみでは不可能な、複雑性を有する変形・流動メカニズムの詳細分析を行った。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Composites Part A: Applied Science and Manufacturing
巻: 180 ページ: 108054~108054
10.1016/j.compositesa.2024.108054