研究課題/領域番号 |
20H02353
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩本 剛 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (40274112)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 超高速衝突 / 損傷回避 / 材料力学特性 / テイラー衝撃試験法 / 高精度測定 |
研究実績の概要 |
以下で詳細に説明する項目を設定し,2020年度から並行して3年間で実施する.なお,各表題内の担当者は,申請者,研究協力者で画像解析が専門である大島商船高専の杉野教授,申請者が指導する博士課程後期在籍の高,及び博士課程前期へ進学予定の倉元である. ①検力装置の製作と計測装置の構築(岩本,高)・・・試験片によるくぼみ変形の低減のため,超硬質の炭化タングステンを用い,衝撃外力を計測することが可能なホプキンソン棒法に基づく検力装置を製作した. ②既開発のテイラー式衝撃試験装置への実装と外力の時刻歴計測(岩本,高,倉元)・・・①の検力装置を実装した.その後,純アルミを対象に実際に試験を実施し,外力の時刻歴を計測し,所望の高速な計測が可能であるかを確認した. ③高速度カメラによるひずみ分布計測(杉野,高)・・・②の試験と同時に,今回申請の高速度カメラを使用し,試験片がホプキンソン棒端面に衝突する動画を撮影した.動画から静止画を得て,画像中の試験片外形から半径ひずみを計測し,変形中体積一定の仮定に従って試験片軸方向のひずみを算出し,時々刻々のひずみ分布を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の年度計画の9割以上は進展していると判断する.上述の項目①は9割,②,③については,全て完了していることが理由である.
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今後の研究の推進方策 |
項目を設定し,2020年度に実施した上述の①から③に引き続き計3年間で実施する.なお,括弧内の担当者は上述と同じである. ④内力分布の算出と応力-ひずみ曲線の取得(岩本,高)・・・内力が弾性と塑性の2つの領域において異なる空間勾配を持つと仮定し,2直線近似により内力分布を得る.内力分布に②の外力値を導入し,前年度実施の項目③の結果から断面積分布を求め,両者の除算により応力分布を得る.ある時刻における応力分布と②のひずみ分布を重ね合わせ,応力-ひずみ曲線を一度の試験で得ることを試みる. ⑤変形中の温度測定の試み(岩本,高)・・・保有の赤外線温度測定用素子と光ファイバを用いて遠隔測定を試みる.試験片がホプキンソン棒の一端に衝突する直前の位置に光ファイバの一端を設置し,試験片の一点における温度の時刻歴を測定する.昨年度実施の③のひずみ分布と④の応力分布より,断熱変形を仮定し,温度分布を算出する. ⑥検証実験の実施と有限要素解析による妥当性検討(岩本,高,倉元)・・・既開発の小型分割式ホプキンソン棒法,拡張前のテイラー衝撃法試験,作成済みの有限要素解析モデルを用いた商用コードにより,温度,ひずみ速度の測定を含めて,本研究の結果と比較し,妥当性を検討する.
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