研究課題
軽ガス銃へ設置する極短時間マルチポイント分光法の開発を完了させた。並行して進めていた、軽ガス銃の運用条件の安定化・プロジェクタイル速度の高速化がほぼ完了し、また模型の可視化システムが改善されてプロジェクタイル模型の空間的・時間的解像度が向上したことから、これを利用して射出されたプロジェクタイルの各時間における位置を推定し、分光のイメージ取得部へ模型が進入した際に、マルチポイント分光用の7 x 7光ファイバーの各ファイバーにおいて取得される光が模型周りのどの位置から発せられているか、正確にマッピングする手法を開発した。また、模型の飛来を検知して観測システムのシャッター解放トリガーを掛ける手法について改善を行った。これによって、火星飛行等価環境(模型飛行速度4.2 km/s)において、射出されたカプセル模型周りの 73 x 73 mm四方の領域について、カプセル模型および周辺プラズマから発光を空間解像度12 mm程度で取得し、かつこれを分光するシステムの開発に成功した。当該観測システムを赤外分光用の機器へ置き換えることによって、赤外線によるカプセル模型および周辺プラズマからの極短時間マルチポイント分光が可能となることから、実験手法の開発については、ほぼ当初の目的を達成したと言えよう。一方、火星飛行環境におけるカプセル背面の赤外輻射加熱に強い影響を与えるCO2の赤外放射計測手法の獲得、ならびにこれを用いたCO2の再結合反応速度係数の実測については, 液体窒素冷却型光学素子を検出器とし遠赤外光学系と組み合わせた観測システムを設置し,2次元膨張ノズルを有する衝撃波管にて衝撃波背後のCO2熱化学局所平衡領域の逐次観察を行う実験系を開発し、CO2からの総量発光の遷移を観察した。その結果、CO2の発光の時間・空間変化がとらえられ、ノズル膨張に伴うCO2の熱化学的変化を捉えることに成功した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Acta Astronautica
巻: 202 ページ: 715~728
10.1016/j.actaastro.2022.09.009