| 研究課題/領域番号 |
20H02366
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| 研究機関 | 横浜国立大学 |
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研究代表者 |
高木 洋平 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40435772)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 乱流 / 機能性船底塗料 / 水和型塗料 / 抵抗低減 / 粗度 / 数値シミュレーション |
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| 研究実績の概要 |
摩擦抵抗低減効果を持つ機能性船底塗料のうち、海水中で水和層を形成する水和型塗料に注目し、その抵抗低減効果のメカニズムを解明し、流れ場に依存しない抵抗低減効果発現のためのパラメータを特定するための実験的・数値的研究を行った。令和2年度は平板境界層及び回転二重円筒流れの数値計算及び実験に関する基礎検討を行った。平板境界層流れの実験ではまず塗料を塗布した平板の粗度を測定した後に、回流水槽において抵抗試験を行った。繰り返し試験を行い、水和型塗料を用いた際に抵抗低減効果があることを確かめ、さらに、平板前縁部分に乱流促進装置を設けない層流-乱流遷移域で特に抵抗低減効果が高く、また実験精度の影響を受けやすいことがわかった。一方、もう一つの流れ場である回転二重円筒流れでは測定装置の精度検証を行い、抵抗低減効果を検証可能なトルク測定が可能であることを確かめた。二つの流れ場に対して共通して使用できる速度計測手法としてレーザードップラー流速計(LDV)を導入し、十分な空間・時間分解能を持つ乱流測定が可能であることを確かめた。
実験に対応する数値計算では、高精度な離散化スキームを採用した有限体積法ベースのシミュレーションコードを導入し、基礎的な流れ場に対して検証計算を行った。高いレイノルズ数条件では細密な計算格子を用いる必要があり、場合によってはLES乱流モデルを使用し、計算格子解像度が与える影響を検討する必要があることがわかった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では水和型塗料の流れ場に依存する抵抗低減パラメータを特定するために2種類の流れ場(平板境界層流れと回転二重円筒流れ)の実験・数値計算を行うが、両流れ場の実験装置に関しては装置作製がおおむね完了しており、測定項目の一つである抵抗値が測定可能になっている。また、対応する数値計算では、三次元乱流流れが再現可能な数値シミュレーションコードの導入・開発の基礎的検証ができており、計算格子を適切に準備できればある程度のレイノルズ数範囲まで計算が可能であることを確認できている。以上の実験及び数値計算の研究実施状況より、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断できる。
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| 今後の研究の推進方策 |
実験において、乱流変動量を測定可能なレーザードップラー流速計(LDV)を導入したが、平板境界近くなどの壁に近い部分での計測に関して精度が要求されるため、壁に垂直な方向に対して正確な測定点を設定するためのトラバース装置を製作・改良し、高精度かつ効率的な乱流測定を可能にする。
一方の数値計算では、壁面粗度を忠実に再現した解析は膨大な計算格子・格子解像度が必要となるため、境界適合格子以外の数値計算スキームの導入も検討する。有望なスキームとしては境界埋め込み法(Immersed Boundary Method)は有用であると考えらえ、直交座標系グリッドと組み合わせることによって高精度かつ高速な大規模計算が実施できる。
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