研究課題
2022年度は前年度に引き続き、①浮体式風車まわりの波浪推定、②浮体プラットフォーム上の波動現象、さらに③その他、について検討を行った。また、最終年度として研究成果の取りまとめを行った。項目①に関して、ある浮体に関する応答計測データからカルマンフィルタによって浮体近傍の波浪を推定し、これを少し離れた場所に設置された海域の波浪の少し先の将来予測に用いることを考案した。複数の応答を同時計測することで長波頂波にも短波頂波についても適用可能であることを示す。その動作原理を数値シミュレーションならびに二次元水槽での縮尺模型実験によって確認し、浮体式風車と将来予測したい地点が2kmほど離れている場合に、おおむね1分程度先の将来の波浪を推定できることを示した。少し先の将来の波浪と応答が予見できることを意味しており、ウィンドファームの建造やメンテナンスに効果を発揮すると考えられる。次いで項目②に関して、巨大洋上プラットフォームに関する前年度の縮尺模型データより、浮体上の波動現象を再解析したところ、時空間的な非線形波動の増幅現象が確認され、ある周波数帯で非線形波動の振幅が極大化することを見出し、浮体上のStokes波の理論を導出し、これによって一種の同調現象として説明づけた。さらに同理論を拡張し、浅海域における浮体上のCnoidal波の理論に発展した。その他③、浮体式洋上風車の連成応答解析技術により、複合荷重下の浮体式洋上風車の応答の検討を行い、係留のモデル化により構造応答の差が無視しえないほど生じることを見出した。また、CFDを用いた浮体周りの流場解析とFEMの連成の研究を行った。これらの研究成果の一部についてジャーナル論文としてとりまとめ、あるいは学会の講演会論文として成果報告した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Ocean Engineering
巻: 266(4) ページ: 113079
10.1016/j.oceaneng.2022.113079