本研究では塗膜粗面を波状粗面と捉え、その波長波高比によって粗度関数が変化するとの推察のもと、回転円筒装置を用いて粗度関数を計測することを試みた。回転円筒の回転トルクと円筒表面近傍の速度分布をLDVによって詳細に計測することによって、波長波高比が異なる3種の塗膜粗面に対して粗度関数を算定した。塗膜表面の形状はレーザー変位計によって計測している。その結果、塗膜の粗度関数は一般的な砂粗度の粗度関数とは異なり、波長が長いほど小さくなること、また高粗度レイノルズ数域での挙動は上に凸の関数となり、概ね一定値に近づく傾向があること、その一定値は波長が長いほど小さいこと、などが分かった。
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