研究課題/領域番号 |
20H02407
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 翔輔 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00614372)
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研究分担者 |
重川 希志依 常葉大学, 大学院・環境防災研究科, 教授 (10329576)
立木 茂雄 同志社大学, 社会学部, 教授 (90188269)
田中 聡 常葉大学, 大学院・環境防災研究科, 教授 (90273523)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 災害伝承 / 災害伝承施設 / 語り部 / コーディネーター / 人材育成 / 災害エスノグラフィー / 祭り / 震災学習 |
研究実績の概要 |
(1)災害伝承の活動・事業の効果を測定・評価する標準的方法を確立するために, 災害とともに生きる文化に関する態度尺度(災害共生文化態度尺度)を設計し,異なる災害伝承手法に対する感度分析を実施し,その有用性を確認した.また,東日本大震災の被災地内にある46の震災伝承施設を対象にして,それぞれの利用者に対する大規模インターネット調査を実施し,防災行動変容を起こしやすい施設やそうでない施設を明らかにした.また.災害伝承の媒体としての祭り行事に着目し,事例調査を通して,それが及ぼす長期的な効果を検証した. (2)災害伝承の「担い手」人材育成の方法を確立するために,東日本大震災の被災地で語り部団体等が行っている研修の実態を把握した.また,この集約結果を踏まえて,視察とワークショップをベースにした人材育成手法を設計し,宮城県内の活動関係者に対する実践を行い,その効果を検証した. (3)災害体験プロセスの記録の活用方法として,仙台市役所における東日本大震災の災害対応に関するエスノグラフィー調査結果を活用した「職員間伝承プログラム」と朗読作成手法を開発した.職員間伝承プログラムは,災害エスノグラフィーを読後に取り組むワークとして,その行程とワークシートを作成した. これらの成果は,査読付き論文4編(うち,招待論文1編),一般論文19編,国際会議3編,学会発表19編として発信した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初掲げた研究計画を上回る成果が出ている.
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今後の研究の推進方策 |
(1)災害伝承の活動・事業の効果を測定・評価する標準的方法を確立するために,ここまで作成した評価手法を東日本大震災の被災地以外の災害伝承施設にも応用し,その有用性を検証する.(2)災害伝承の「担い手」人材育成の方法を確立するために,ここまでの成果をとりまとめたうえで,被災自治体が行う人材育成プログラムへの介入を行う.(3)災害体験プロセスの記録の活用を促進するために,被災自治体内で行う人材育成プログラムや,被災自治体の外に体験を継承するプログラムを開発する.
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