研究課題
内陸活断層地震を想定した断層モデルに対して、本研究課題の一貫した提案手法(①地震動分布の予測サンプルの生成、②地震動分布の分類手法の開発、③地震動分布の分解手法の開発、④地震動分布の合成手法の開発、⑤地震リスク評価のケーススタディ、⑥予測シナリオの構成方法の体系化)を適用した。その結果、「強震動予測のレシピ」の震源パラメータを拡張して、不確定性や空間相関を考慮した適正な地震リスク評価を実施できることを確認した。また「地震ハザードプロファイル」を用いて、多様な地震ハザード情報をわかりやすく発信し、利活用促進につなげるための展望が得られた。以上により、予測シナリオの多様化と社会のリスク認知力向上という所期の目的が達成された。一方、南海トラフ巨大地震を対象として①~④を適用したところ、地震動分布の分解によるモード形状に有効な物理的解釈を与えられなかった。これは、震源域モデルが広域に分布することと、モード分解を適用するには十分な多様性が付与されていないことによる。そこで発想を転換し、⑥の一環として、地震本部の確率論的津波ハザード評価のための波源断層モデルを地震動予測に援用して「地震イベントの分解」によりシナリオを多様化し、遡及的に⑤を実施することとした。79の震源域モデルに大すべり域が配置された2720の波源断層モデルを地震イベントとして設定し、等価震源距離に基づく地震動予測式を適用して地震動分布を生成した。広域の複数地点を対象として「地震ハザードプロファイル」を構成し、地点ごとにイベントリスクカーブを算出した。全地震イベントのシナリオ地震動分布は、大すべり域に起因するイベント内・イベント間の空間相関を内在化させているため、容易にポートフォリオリスク評価に発展可能である。また、昨年度実施した津波リスク評価と統合することで、地震・津波マルチハザード・リスク評価が可能となった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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土木学会論文集A1
巻: Vol.79 ページ: (印刷中)
Journal of Disaster Research
巻: Vol.18, No.8 ページ: 839-851
10.20965/jdr.2023.p0839
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IOP Conference Series: Earth and Environmental Science
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10.1088/1755-1315/1173/1/012016