各種電池やガスセンサーなど,あらゆる電気化学デバイスにおいて,イオン伝導体は電解質材料として必須であり,そのイオン伝導度はデバイス性能を決める重要因子のひとつである.そのため,各種イオンが高速伝導する材料を求めて,多くの研究者が新材料開発を行っている.ただ,研究者各々の経験と勘に頼った材料開発が依然として主流であり,広範な多元系材料探索空間の大部分が未開拓である.本研究では,インターネットや交通網などの複雑なネットワークを解析するスペクトラルグラフ理論を用いて,結晶内部に形成されるイオン伝導経路網を解析することで,固体内のイオン伝導を理解する新しい方法論の構築を行った.
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