研究課題/領域番号 |
20H02424
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤枝 俊 大阪大学, 大学院工学研究科, 特任准教授(常勤) (60551893)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 磁性・電子・情報材料 / 逆磁歪効果 / 振動発電 |
研究実績の概要 |
磁性体に応力を印加すると磁気的性質が変化する現象は逆磁歪効果と呼ばれ、それを利用した振動発電は身の回りの振動から無線送信が可能な電力を高効率に発電できるため、革新的なエネルギーハーベスティング技術としてIoTデバイス用の小型電源としての応用が期待されている。本研究では、比較的小さな磁歪定数の鉄基合金の逆磁歪効果の発現機構を明らかにすることにより、新材料の設計指針を得ることを目的とする。 昨年度の研究で、引張り試験機に磁場印加機構を付加した独自のシステムを構築し、応力中磁化測定に成功した。これにより、一定応力を印加した状態で測定した磁化曲線から、各印加磁場における応力印加による磁化変化を求め、それを印加磁場に対して整理することで逆磁歪効果による磁束密度変化を間接的に評価することが出来る。本年度は、一定磁場を印加した状態で応力を印加することで生じる磁束密度変化、すなわち逆磁歪効果に起因した磁束密度変化を直接的に評価することが出来るように本システムを改良し、それを用いて比較的大きな磁歪定数のFe-Co合金の逆磁歪効果に及ぼす熱処理の影響を調べた。その結果、無印加応力での磁化曲線のヒステリシスが比較的大きい磁場領域において、直接測定で評価した磁束密度変化は、間接測定で評価した値と有意に異なることが明らかになった。つまり、間接測定は比較的簡便に逆磁歪効果に起因した磁束密度変化を評価できるが、ヒステリシスが大きい材料の場合には直接測定が有効であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
逆磁歪効果に起因した磁束密度変化を直接測定可能なシステムを構築することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度立ち上げたシステムを用いて、逆磁歪効果の詳細な検討を行う。
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