研究課題
基盤研究(B)
Fe-Ga合金の逆磁歪効果を利用した振動発電は、身の回りの振動を電気エネルギーに変換できるエネルギーハーベスティング技術として注目されている。本研究では、まず、Fe-Ga合金と比較して磁歪は小さいが飽和磁化および磁化率は大きいFe-Si合金に着目し、現在最も有望視されているユニモルフU字型デバイスを用いて、その振動発電特性に及ぼす結晶方位の影響を明らかにした。また、逆磁歪効果の評価システムの構築にも取り組み、逆磁歪効果に起因した磁束密度変化の直接測定に成功した。
磁性材料
従来、振動発電用の材料である逆磁歪材料として、磁歪の大きな磁歪材料の応用が注目されてきたが、本研究により磁歪の小さい材料でも応用の可能性があることが明らかになった。また、本研究で独自に構築した評価システムにより、逆磁歪効果の詳細な検討が可能であることを示した。これらの成果により逆磁歪材料の開発が進展し、振動発電デバイスの多様な利用方法および利用環境に合わせて最適な材料が選択できるようになれば、振動発電エナジーハーベスティングのさらなる普及が期待される。