研究課題
クエン酸燃焼法によりペロブスカイト型複合酸化物であるLaMnO3とLaCoO3の単相粉を合成し、抗ウイルス活性を評価した結果、両試料ともにバクテリオファージQβ、バクテリオファージφ6のそれぞれに対して抗ウイルス活性があることが確認された。これらの材料はイオン漏出量は少なく、ウイルスの構造的特徴、Laの表面濃度、Laの固体塩基性、MvK機構等による蛋白質変性、脂質二重膜の変形等が関与していることが考えられた。LaMnO3とLaCoO3はMvK機構による有機物分解活性を併せ持つ、溶出量の少ない抗菌・抗ウイルス材料であることが明らかになった(論文掲載決定済)。SnOとMoO3をモル比1:1として遊星ボールミルを用いたメカノケミカル法によりSnO2-MoO2固溶体が得られ、Qβ、Φ6、真菌に高い活性を示した(論文作成中)。次に、相関分析と回帰分析を用いて各微生物に対する活性と試料の特性の関係性を調査した。その結果、タンパク質が膜あるいは殻の主成分である大腸菌、黄色ブドウ球菌、Qβに対しては特定イオンが強い影響を持ち、脂質と糖タンパク質から成る疎水性のエンベロープを有するΦ6に対する効果とは異なることが分かった。総ドープ量をCeの20%に固定してCeO2にBiとLaを共ドープした(CBLO) の粉末を水熱法により合成し、この試料の表面にCoOxを化学吸着焼成サイクル法により修飾した。得られた粉末はXRDではCeO2のピークのみが検出され、CoOxの担持量は各試料でほぼ同じであった。抗ウイルス活性は、Bi:La=2:8の比率で合成した試料が最も高かった。抗ウイルス活性にウイルスの吸着力と分解力の両方が影響したことが示唆された(論文投稿中)。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
J. Jpn. Soc. Colour Mater.
巻: 96 ページ: 96-103
10.4011/shikizai.96.96
J. Ceram. Soc. Jpn.
巻: 131 ページ: 117-125
10.2109/jcersj2.22160