研究課題
基盤研究(B)
アモルファス酸化物半導体に希土類(Eu, Pr, Tb)を添加することにより、室温で作れる蛍光体薄膜の探索を行った。またそれを発光層に用いることで、ガラス基板上への発光ダイオード作製を実証した。直流電圧の印加によって、赤、緑、ピンクと希土類に応じた発光色を確認することができた。また、硬X光電子分光および共鳴光電子分光を用いて、希土類の4f準位とホスト材料の関係を明らかにし、発光メカニズムの議論を行った。
アモルファス酸化物半導体
本研究で得られた希土類添加アモルファス酸化物半導体(AOS)は、電気伝導性と発光特性を併せ持つ、従来にない機能性材料である。今回の研究によって、発光ダイオードの発光層としての有用性が示された。この成果は、将来のフレキシブルエレクトロニクス実現に向けた重要な基礎技術となる可能性がある。またAOS中の希土類添加物の4f準位を実測した研究は他になく、学術的にも大きな意義があったと言える。