研究成果の概要 |
機械学習を用いた物性予測は, 様々な報告がされているが, 多くの研究では記述子に構造情報を含んでいる. しかし, 構造情報を使用することで必然的に新材料探索領域がデータベース上のみに限られてしまう. 本研究では、既存のデータベースに記載されていない、全くの新組成を有する材料を新たに発見することを目標とし、データサイエンスに基づく以下の2つの方法論を構築した。(1)組成情報のみを用いて機械学習による予測を行い材料合成の可能性を評価するスキームおよび(2)深層学習により組成・構造の情報を緯度・経度情報に2次元可視化した材料地図を製作するスキームである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
無機化合物のうち三元系では, 16%のみが発見されている状態であり, 4元系では0. 6%しか調査されていないことが推定されており、 未知材料(結晶構造データベースに未掲載)の探索空間は膨大である. このような新しい材料には、既存の物性限界を突破し、新しいデバイスの創出などが期待される。しかしながら, 新しい結晶性材料の探索, すなわち物質が合成可能かどうかの探索は, これまでのところ研究者の経験・知識に基づく直感や単純な理論に頼ってきた. 本研究成果によって、研究者と連携して系統的・効率的に新しい材料組成を提案をすることが可能になり、新材料探索の効率化が期待される。
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