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2021 年度 実績報告書

海水からの資源回収を目的とした逆浸透膜

研究課題

研究課題/領域番号 20H02449
研究機関信州大学

研究代表者

遠藤 守信  信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 特別栄誉教授 (10021015)

研究分担者 藤澤 一範  信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 助教(特定雇用) (00724634)
モレロス・ゴメス アーロン  信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 特任教授 (00793746)
手島 正吾  信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 特任教授 (10502015)
竹内 健司  信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (20504658)
Cruz Rodolfo  信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 特任教授 (30597878)
林 卓哉  信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (80313831)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード逆浸透膜 / 資源回収 / カーボンナノチューブ
研究実績の概要

逆浸透(RO)膜を用いた海水淡水化による造水コストは約1$/tと大きく、途上国にとって大きな経済負担になり、SDGsの水問題の解決も遅れている。海水淡水化システムの低コスト化策は、RO膜による海水淡水化の濃縮排水を利用して、そこから希少資源を回収して造水コストに還元することが有望視されている。原水の約45%がRO膜で淡水化されるので、廃液の海水に含まれる資源は約2倍の濃度に濃縮される。この際、RO膜処理の際に、高透水性RO膜が重要となり、さらに二次的に高圧逆浸透を実施して高濃度廃水を原水の3倍程度に濃縮できる強靭なRO膜が必要である。そこで、効率的な濃縮システムの開発に加えてそれに適したカーボンナノチューブ(CNT)と芳香族ポリアミド(PA)の複合膜を調製およびその機能と透水機構を解明することを目指している。二年目の令和3年度は、当初の計画では、RO膜の透水試験は平膜を用いて一次、二次圧力の2段階の濃縮試験の予定だったが、想定より回収率(原水に対する透過水の比率)が低いため濃縮できないことが分かった。そのため、濃縮水を原水に戻して循環して透水するシステムに変更して濃縮実験を実施した。すなわち、循環濃縮用の高透水CNT/PA複合RO膜の調製とそれを用いた濃縮処理について検討した。CNT/PA複合膜は、高透水性に加えて優れた耐ファウリング性が特色で、脱塩性能はPA膜と同等の機能を有している。この膜の特長である透水性をさらに上げて循環濃縮に使えるRO 膜を調製した。また、このCNT/PA複合RO膜を用いて北九州から取り寄せた実海水を原水に用いて循環濃縮試験(5.5MPa)を行い、対象金属(Li,Na,Mg,K,Sr.Ca)の濃縮率は、市販の耐高圧RO膜の平均1.3倍に対してCNT/PA複合膜は平均1.55倍と高く、特にLi濃縮は市販膜が濃縮できなかったのに対して、最大1.9倍を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

海水からの資源回収に膜評価に適した高透水性CNT/PA複合膜の調製およびそれを用いた循環式濃縮システムの構築(予備)を行った。特に当初計画していた一次、二次圧力の2段階の濃縮試験から濃縮水を循環式に変更することで、濃縮効率が向上した。

今後の研究の推進方策

本研究の目標を達成するべく、今後以下の検討を効率的にさらに進める。特により高圧に対応した濃縮水の循環式のシステムを完成し、高圧に耐えられるRO膜の調製を試みる。①RO膜サンプルを平膜に加えてモジュールによる濃縮試験を検討、②CNT/PA-RO膜の機能のコンピュータシミュレーション

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Quasi-2D Polyamides Reinforced with 1D Nanotubes and Nanofibers for Novel Desalination Membranes2021

    • 著者名/発表者名
      Rodolfo Cruz-Silva
    • 学会等名
      MRS Fall Meeting 2021
    • 国際学会
  • [学会発表] Machine Learning for Polyamide Carbon Nanotube Composite Membranes2021

    • 著者名/発表者名
      Aaron Morelos-Gomez
    • 学会等名
      MRS Fall Meeting 2021
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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