研究課題
基盤研究(B)
拡散性の強い熱の輸送を微小スケールで制御するためには, 機械的駆動部を持たず簡便な方法で熱流を可逆的にオン/オフすることが可能な熱スイッチング機構が不可欠である.本研究では,包接化合物におけるゲスト原子を外場で操作することにより熱伝導率を飛躍的に変化させられる熱スイッチング材料の設計指針を得ることを目的として,ゲスト原子の熱振動が熱伝導率に与える影響を調査した結果,熱振動の局在性よりも非調和性が格子熱伝導率を強く支配していることを明らかにした.
金属材料,金属物性
物質の熱伝導率の起源については現代において不明な点が多い.本研究では,包接化合物と呼ばれるホストゲスト型の構造を有する場合,ゲスト原子の熱振動,特にその非調和性が格子熱伝導率低減に大きく寄与していることを明らかにした.本研究で得られた知見は低い熱伝導率が求められる熱電変換材料の研究開発にも応用できると考えられ,工業的重要度も高い.