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2022 年度 実績報告書

フェライト系耐熱鋼溶接部の局所クリープ特性評価と組織改質による強度低減の抑制

研究課題

研究課題/領域番号 20H02466
研究機関九州大学

研究代表者

光原 昌寿  九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (10514218)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード高Crフェライト系耐熱鋼 / 溶接継手 / 溶接熱影響部 / クリープ変形 / デジタル画像相関法 / 電子顕微鏡 / 結晶方位解析
研究実績の概要

火力発電ボイラの主要構成部材である蒸気配管の使用寿命は、わずか数mmほどの幅しかない溶接熱影響部(Heat Affected Zone: HAZ)のクリープ強度によって支配されている。本研究では、多角的組織解析手法によりHAZの微細組織を明確に捉え、デジタル画像相関法(DIC: Digital Image Correlation)と高温クリープ試験法を組み合わせることによりHAZでの局所クリープ変形挙動を直接的に評価する。それらの結果から、HAZのクリープ変形機構・破壊機構の学理を構築する。
本研究では、発電プラント内での多くの使用実績を持つASME規格Grade 91の溶接継手を試料とした。
2022年度は、断面積の異なる試験片を作製してDICクリープを行い、HAZが他の部位から受ける変形拘束の条件が、そのひずみ発達に及ぼす影響を定量的に評価した。その結果、試験片断面積が大きくなるほど、HAZの変形拘束の程度が増し、溶接継手の破断時間が増加することがわかった。また、いくつかのクリープ中断試験を実施し、2020年度に確立したHAZ領域の区分方法を適用しつつ、その試験片の微細組織を評価した結果、ひずみの集中する箇所を具体的に特定することに成功した。
加えて、ビッカース硬さ試験機で導入した圧痕の距離変化を用いたひずみ計測を実施して、DICクリープ試験で評価されるひずみとの比較を行った。その結果、両者のデータは良い一致を示し、DICクリープ試験によるひずみの評価の妥当性が裏付けられた。
本研究では、複雑なHAZ組織の区分法を提案し、また、DICクリープ試験法という新たな力学試験を用いて、変形中のHAZのひずみ発達を定量的に評価して、HAZの各領域におけるそれぞれのクリープデータを取得することに成功した。これらは、HAZのクリープ変形機構・破壊機構を解明する上で重要な知見である。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 画像相関法による局所クリープ変形挙動解析手法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      光原昌寿, 中島英治
    • 雑誌名

      耐熱金属材料第123委員会研究報告

      巻: 63 ページ: 121-128

  • [雑誌論文] デジタル画像相関クリープ試験法による9Crフェライト系耐熱鋼溶接継手の局所ひずみ解析2022

    • 著者名/発表者名
      光原昌寿, 石橋怜輝, 早川弘之, 中島英治
    • 雑誌名

      耐熱金属材料第123委員会研究報告

      巻: 63 ページ: 207-211

  • [学会発表] 耐熱鋼溶接継手におけるクリープ変形中の局所ひずみ分布2023

    • 著者名/発表者名
      石橋怜輝, 光原昌寿, 早川弘之
    • 学会等名
      日本金属学会2023年春期(第172回)講演大会

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公開日: 2023-12-25  

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