本研究課題の目標は「鉄・アルミニウム・シリコン系新規温度差発電材料(FAST材)」を基軸として、ビスマス・テルル系既存材料に匹敵する出力特性を達成し、室温での微小温度差発電を可能とする新材料を創製することである。冷却速度が比較的早く、量産化がある程度可能な傾角鋳造法にて合成したP型およびN型FAST材の精密組成制御を行い、熱電特性を最適化した。その結果、P型・N型ともに130μV/Kを越える高いSeebeck係数が得られ、結果としてこれまでよりも高い電気出力因子が得られた。さらに、FAST材を用いた高集積温度差発電モジュールの発電試験や実証試験を行い、実装化に向けた課題を抽出した。
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