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2022 年度 実績報告書

粗大結晶粒金属材と機械学習を用いた新規アプローチ法による結晶塑性解析の高精度化

研究課題

研究課題/領域番号 20H02480
研究機関京都大学

研究代表者

浜 孝之  京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10386633)

研究分担者 高村 正人  国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 上級研究員 (00525595)
山中 晃徳  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50542198)
内田 壮平  地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主任研究員 (70736305)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード結晶塑性有限要素法 / データ同化 / 粗大結晶粒材
研究実績の概要

2022年度の実施内容と得られた成果を以下に示す.
(1)本研究では,データ同化手法としてアンサンブル4次元変分法を用いた.この手法では,十分なアンサンブル数を予め準備することが重要である.一方,結晶塑性有限要素法解析では計算コストが高いため,通常どおりに順次解析する方法では十分なアンサンブル数を確保することが難しい.この問題に対して,一度に全ての解析を行うのではなく都度の計算結果を保存してアンサンブル数として再利用することにより,必要となるアンサンブル数を確保することに成功した.データ同化では,観測データとしてひずみ成分を採用した.解析結果との差分に関する評価関数の最小化を行い,加工硬化パラメータの最適化を試みた.
(2)上記の条件に基づき,2021年度に設定した条件を用いて純アルミニウム板の引張変形について改めてデータ同化を適用した.まず,データ同化で対象とすべき領域について検討した.その結果,ひずみ分布が実験と解析で最も大きく異なる領域に焦点を絞ることで,比較的効率よくひずみ分布の予測精度を向上できることが明らかとなった.このとき,純アルミニウムのような面心立方金属では可変な材料パラメータが多くないことから,すべり系ごとで異なるパラメータを設定することが精度向上を実現する上で有効である可能性が示された.また本解析事例の場合,データ同化で対象とした領域におけるひずみ分布の向上の実現には,その領域内ではなくむしろその周囲の領域におけるすべり系活動の変化が大きく寄与していることが明らかとなった.
(3)解析では供試材の粒形状が板厚方向で完全に一様であると仮定した一方で,実験では必ずしも一様ではなく,そのことが予測精度の低下をもたらしている可能性が示唆された.今後は粒形状の適切なモデル化手法について検討する必要があることが示された.
(4)本研究を総括し,今後の課題を抽出した.

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] 極低炭素鋼における微視的不均一変形挙動に関する結晶塑性有限要素シミュレーション2023

    • 著者名/発表者名
      浜孝之,岡将司,西拓樹,松野崇,林誠次,高田賢治,興津貴隆
    • 雑誌名

      鉄と鋼

      巻: 109 ページ: -

    • DOI

      10.2355/tetsutohagane.TETSU-2022-097

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 1180 MPa級マルテンサイト母相Dual Phase鋼における微視的延性破壊機構の解析2023

    • 著者名/発表者名
      渡邊優斗,松野崇,浜孝之,松田知子,興津貴隆,林誠次,高田賢治,内藤正志
    • 雑誌名

      鉄と鋼

      巻: 109 ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 六方晶金属の結晶塑性モデリングとその板材成形解析への応用2023

    • 著者名/発表者名
      浜孝之
    • 雑誌名

      ぷらすとす

      巻: 6 ページ: 13~17

    • DOI

      10.32277/plastos.6.61_13

  • [雑誌論文] 粗大結晶粒金属の不均一挙動 ―実験と結晶塑性有限要素法解析―2023

    • 著者名/発表者名
      浜孝之
    • 雑誌名

      ぷらすとす

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] Understanding room-temperature deformation behavior in a dilute Mg?1.52Zn?0.09Ca (mass%) alloy sheet with weak basal texture2022

    • 著者名/発表者名
      Nakata T.、Hama T.、Sugiya K.、Kamado S.
    • 雑誌名

      Materials Science and Engineering: A

      巻: 852 ページ: 143638~143638

    • DOI

      10.1016/j.msea.2022.143638

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cylindrical cup drawing of a commercially pure titanium sheet: experiment and crystal plasticity finite-element simulation2022

    • 著者名/発表者名
      Hama Takayuki、Hirano Kaho、Matsuura Ryo
    • 雑誌名

      International Journal of Material Forming

      巻: 15 ページ: -

    • DOI

      10.1007/s12289-022-01655-x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Work-Hardening Behavior of a ZX10 Magnesium Alloy Sheet under Monotonic and Reverse Loadings2022

    • 著者名/発表者名
      Hama Takayuki、Higuchi Koichi、Yoshida Hikaru、Jono Yuri
    • 雑誌名

      Key Engineering Materials

      巻: 926 ページ: 926~932

    • DOI

      10.4028/p-7bgcsj

    • 査読あり
  • [学会発表] ZX10マグネシウム合金板の塑性変形挙動に関する結晶塑性モデリング2022

    • 著者名/発表者名
      浜孝之,樋口晃一,城野百合
    • 学会等名
      第73回塑性加工連合講演会
  • [学会発表] 6022アルミニウム合金板におけるせん断応力を含む多軸応力下における材料モデリング2022

    • 著者名/発表者名
      山本樹奈,平山健太郎,前田康裕,前田恭志,浜孝之
    • 学会等名
      第73回塑性加工連合講演会
  • [学会発表] 非逐次データ同化による純アルミニウムの結晶塑性パラメータの推定2022

    • 著者名/発表者名
      洞田真佑,西拓樹,山中晃徳,内田壮平,浜孝之
    • 学会等名
      第73回塑性加工連合講演会
  • [学会発表] フェライト-マルテンサイト複合組織鋼板の結晶塑性解析における各相の加工硬化特性が巨視的変形に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      田村悠真,松野崇,内藤正志,興津貴隆,高田賢治,浜孝之
    • 学会等名
      第73回塑性加工連合講演会
  • [学会発表] 結晶塑性解析による液圧バルジ試験で得られた加工硬化特性の予測2022

    • 著者名/発表者名
      緩詰晃太,吉田健吾,浜孝之
    • 学会等名
      第73回塑性加工連合講演会
  • [学会発表] フェライトーマルテンサイト複合組織鋼板における各相の微視的評価とその結晶塑性有限要素解析への応用2022

    • 著者名/発表者名
      浜孝之,田村悠真,菅野偉太,松野崇,内藤正志,興津貴隆
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会 第184回秋季講演大会
  • [学会発表] JIS1種純チタン板の非線形ひずみ経路における塑性流動2022

    • 著者名/発表者名
      田中智也,岡上隆一郎,浜孝之
    • 学会等名
      2022年度塑性加工春季講演会
  • [学会発表] SEM内引張試験による超高張力マルテンサイト・フェライト二相組織鋼の微視亀裂生成箇所の観察2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺優斗,松野崇,浜孝之,松田知子,興津貴隆,林誠次
    • 学会等名
      2022年度塑性加工春季講演会
  • [学会発表] 粗大結晶粒金属材における不均一変形挙動2022

    • 著者名/発表者名
      浜孝之
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会第183回春季講演大会

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公開日: 2023-12-25  

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